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Good Professor

馬塲 杉夫

馬塲 杉夫 教授
専修大学
経営学部

ばば・すぎお
1966年東京生まれ。95年慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程(経営学・会計学専攻)単位取得。95年専修大学経営学部講師。97年同助教授。03年より現職。03年米UCLA経営大学院訪問研究員。博士(商学:慶應義塾大学)。主な著作に『経営戦略論』『組織力の経営~日本のマネジメントは有効か~』(ともに共著・ともに中央経済社)『個の主体性尊重のマネジメント』(白桃書房)などがある。
馬塲先生が主宰するWebサイトのアドレスはコチラ → http://www.isc.senshu-u.ac.jp/~thm0509/sbaba/sbabatop.htm

経営学本来の面白さを伝えたい

馬塲研究室のある生田キャンパス8号館
馬塲研究室のある生田キャンパス8号館
専修大学生田キャンパスの正門付近
専修大学生田キャンパスの正門付近

都会派ビジネスの実戦的学部としてとみに知られる専修大学経営学部。経営学科のみの単科学部である同学部がカリキュラムの見直し改革を今年度(07年度)に行なって話題を呼んでいる。今回改革の責任者でもある馬塲杉夫教授が今週ご登場ねがう恩師候補だ。まずはカリキュラム大幅見直しの目指すものから聞いてみよう。

「これまでの経営学の学習というと、ついつい講義・講義の連続になりがちで(笑)、やや面白み味に欠けがちなところがありました。そこで今回もう少し学生の興味をひくようにと、1年次から演習・実習の時間を増やして、講義で学んだことを実地に体験できるようにしました」

「また範囲が広く漠然としている印象のある経営学部の科目を10テーマに分類し直し、このうちから2テーマをマスターすることを学生に義務づけることとしました。こうやって自らの関心を絞っていき、3年次から始まる本格的なゼミ演習に備えてもらいます」

この他にもひとつの講義を複数の教員が担当したり、ゼミ演習においても学内外の他ゼミとの交流を頻繁にするなどして、物事を複眼的に見る目を養っていきたいとも語る。とても興味深い試みの数々――新生・経営学部と生まれ変わって結果の出る4年後が今から大いに楽しみだ。

企業組織に求められる戦略マネジメント

初冬を迎えた専大生田キャンパス全景
初冬を迎えた専大生田キャンパス全景
120年記念館(左)脇から多摩市街を望む
120年記念館(左)脇から多摩市街を望む

そんな馬塲先生自身の専門分野は「経営学(人的資源管理・戦略マネジメント)」ということになる。

「端的にいえば、企業がやろうとしていることを従業員の1人ひとりにどう働きかければ実現するのか? そうしたことを中心に研究しています」

そう語る馬塲先生。もう少しかみ砕いて説明してもらうと、

「たとえば高校生諸君の勉強に置き換えて考えてみますと、自分だけのオリジナルな新しい学習というのはあり得ませんよね。クラスのみんなで昨年まで先輩たちが学んだことと基本的に同じものを学習します。次の年になれば後輩たちが同じものを学ぶ。それが学校の勉強というものです。しかし民間企業がいつも同じことをやっていては、厳しいビジネスの世界で生き残ることはできません」

「お役所と違って企業は常に変わっていかなければ陳腐化し存在価値すらなくなってしまう。だからといって『変われ!変われ』などと上司から号令だけ掛けていても現場の社員・従業員は簡単に変わりません。それをどうやって変えていくのか? そうした戦略マネジメント的なことが私の研究テーマなのですね」

そのためには現場の人間のスキルアップが大事となる。そして顧客や市場など外の変化を見る目をもたせ、上司から指示される前に自ら判断して行動できるようになることだという。馬塲先生は、個々の企業を積極的に訪問し、そのコンサルテーションなども実際にしている。

また学内外の研究プロジェクトにも参加していて、そこで1部・2部上場の製造業を対象にしたアンケート調査を10年以上続けている。これは、日本の製造業の動向についての経営戦略・経営組織に関するデータとしては唯一で最大のものが集められているという。

このように自身の研究について語る馬塲先生の周囲には溌剌とした若々しい空気が漂う。そして、意欲を満ちあふれつつこう強調する。

「もともと経営学は非常に面白い学問なのですよ」

次々と発表プレゼンが課せられるゼミ

専修大学経営学科のゼミ演習は3年次から始まる。馬塲ゼミの定員は毎年12人程度だが、人気ゼミだけに例年定員の倍近い応募があるという。そして、その選抜方法が実に面白い。

「学業成績を含めて平均化したゼミ生を集めても面白くありませんからね。いろんな背景や違った考え方をする人に集まってもらいたいと思って選考しています。入ゼミ面接は面接官を代えて3回実施し、それぞれ別の視点から採点してバラエティーに富んだメンバーを集めたいわけです」

いかにも馬塲先生らしいユニークな選抜方法といえよう。まず3年次ゼミ生には、個人研究とグループ研究が課せられる。このうち個人研究では先生から個別に違う参考文献を与えられ、それぞれに研究して発表していく。これが年2回もある。グループ研究のほうは、いかに論旨の通った内容で相手を説得する発表ができるのかが主なねらいとなるという。

そのためもあってゼミ内の発表会から同じ学科の他の数ゼミとの合同発表会、そして他大学のゼミとの合同の発表会が2回、それに「神奈川県チャレンジプログラム」での発表と、計5回もの発表会を次々とゼミ生たちは経験していくこととなる。

これによって将来社会人になってからのプレゼンテーション(あるいは就職試験での面接)などでも役立てもらいたい――という馬塲先生の親心でもある。

「高校生のための経営学実践講座」

そして、いよいよ4年次のゼミ生は卒業論文の作成に集中することになる。学生たちへの指導方針については――

「それぞれの学生にきちんとチャンスを与えること――これが一番心掛けていることです。といって何もないところで機会を与えてもかえって酷ですから、そのためのガイドラインは示しています。各自の卒論なりグループ研究なりのどこに私が注目しているのかも事前に明確にするようにして日ごろから指導しています」

ちょっと話は変わるが、馬塲先生は非常な多趣味の持ち主でもある。自転車、海釣り、園芸、車、スキー、ビールづくり――それらのどれもが本格的な玄人はだしで、とくに自転車は高校時代から10年間も競技選手登録をしている。なんとインターハイ出場や神奈川県代表での出場経験もある。いまも日本学生自転車競技連盟の理事を務める。

「研究を続けていて集中が続けられなくなったときに気分転換をするために愉しんでいます。ですから、どの趣味もひとりで愉しめるものばかりなんですね(笑)」

最後に馬塲先生からの告知をひとつ。専修大学経営学部では、毎年夏休みに「高校生のための経営学実践講座」というイベントを神田キャンパスで開いている。これは、高校までに学習する機会のほとんどない経営学についてのガイダンスと、同講座に協賛するハンバーガーチェーンへのプレゼンテーションコンテストで構成されるという。そしてコンテスト入賞者には豪華賞品も贈呈される。

「経営学を具体的に知るよい機会ですから、1人でも多くの高校生の参加を!」

そう真剣に呼びかける馬塲先生の姿がいまも印象に残る。

こんな生徒に来てほしい

若者らしく好奇心をもっている人がいいですね。好奇心をもち続けていると世の中のいろいろなことが見えてきます。好奇心のない人とは物事の見え方もまったく違ってくるはずです。そもそも高校生諸君は一度も学習したことのない経営学なのに、何を基準にして経営学部に受験してくるのでしょうか? そうした意味でも、多少とも経営学の概要を知ってから来てほしいですね。

※ちなみに07年度の「高校生のための経営学実践講座」は盛会裡のうちに終了している。来年度以降も夏休み期間に実施する予定だが、その詳細はHPで告知予定。

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