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Good Professor

内布 光

内布 光 教授
東京経済大学
現代法学部

1946年熊本県生まれ。’69年熊本大学法文学部法律学科卒。’69年日立情報システムズ入社。社長室部長(法務担当)、理事(法務部長)などを経て、’04年より現職。主な著作に『基礎から学ぶ会社法』(青山社)、『IT社会における企業取引法』、『新しいソフトウェア開発委託取引の契約と実務』(監修・前著ともに商事法務)などがある。
内布先生が主宰する研究室のURLアドレスはコチラ → http://www.tku.ac.jp/~uchinuno/

ビジネス法・IT関連法研究のパイオニア

内布研究室のある「第三研究センター」棟
内布研究室のある「第三研究センター」棟
東京経済大国分寺キャンパス正門
東京経済大国分寺キャンパス正門

東京経済大学現代法学部は、21世紀の現代社会で起きている諸問題と法律との関係を専門的に学ぶ学部(単科学部)として定評がある。今回は同学部で教鞭を執る内布光先生にその特徴などを聞いた。

「個人的な印象で申しますと、実務家出身の教員も数多くいるので、私を含めて実践的で、社会に出てから役立つ授業を心掛けている先生が多いと思います。それが大きな特徴ではないでしょうか」

さらに、司法試験などの資格試験をめざす学生のために、資格別にカリキュラムが組まれた支援制度も用意されていると語る。ちなみに、支援対象になる資格は、司法試験のほか、司法書士・行政書士・公務員・法学検定・英語検定・教員免許(中学・高校教諭一種)などで、キメ細かい。

そんな内布先生自身のご専門は「企業法(ビジネス法)」と「IT関連法」である。先生は長く民間企業にあって、法務担当の仕事に携わってきた。この2つの法分野について説明してもらった。

「いわゆる企業法、あるいはIT関連法という名称の法律は実際にはありません。企業法に代表されるのは会社法や商法などで、会社の組織から取引全般についてまでの法律になります。それからIT関連法とは、インターネットやコンピューターを使った電子商取引にかかわる法律で、具体的には電子契約法や電子署名・認証法などをいいます」

内布先生が前職で勤務していた企業は、情報サービスの草分け的な会社であった。そのため、一企業人というより業界団体の法務担当代表のようにして、ソフトウェアなどのIT関連取引や、個人情報保護などに関連するルールづくりに関わってきた。そうした豊富な実務経験に裏打ちされた指導法には定評がある。

コンプライアンス企業経営が叫ばれる時代だからこそ

正門を入るとサクラ並木が続く
正門を入るとサクラ並木が続く
初夏を迎えた国分寺キャンパス全景
初夏を迎えた国分寺キャンパス全景

あらためて大学で法学を学ぶことの意味についてお聞きしてみると――

「この現代法学部を卒業しましても、大半の人は民間企業に就職して、営業をはじめさまざまな職種に就くことになります。しかし、自分は営業だから法律など関係ないというわけにはいかない時代が、いまや日本でも常識となってきました。たとえば営業活動における契約をはじめ、ほとんどのビジネス業務は法律行為の連続だとも言えるのです。それも会社を代表して法律行為をしているのです。ところが、実はこうした認識が希薄な人がまだ多いのですね」

そうした認識の希薄さが、昨今のニッポン企業不祥事の多発となって現われているとも言えよう。

「企業としては、全社員がそうした意識をしっかり持って働いてくれないと困るわけです。どんな企業も社会的責任を負っていますから、ひとつの法令違反が致命的なことに直結する事態にもなってきました。企業のトップがコンプライアンス(法令遵守)、コンプライアンスと繰り返し言うのはそのためです。せめて企業法の基本的な知識ぐらいは、大学で身につけて来てほしいというのが最近の企業側の希望なのです」

そうした声を受けて東京経済大学現代法学部では、2010年度入学からの学生を対象に「ビジネス法プログラム」を実施することになった。これはビジネスに関する法律の、基本的な素養を身に付けるためのプログラムで、2年次の学生から希望者が受講できる(受講のための試験はない。ただし簡単な選抜は実施される)。

このプログラム推進の中心を担っているのが内布先生だ。企業法務のエキスパートである先生がどんなプログラムを打ち出すのか、大きな期待が寄せられている。

自ら学び研究するゼミこそが大学教育の真骨頂

住宅街を抜けた先にはキャンパスが
住宅街を抜けた先にはキャンパスが

そうした内布先生の熱き指導については学生たちにも知られているらしい。
東京経済大学現代法学部におけるゼミ演習は2年次学生から取ることができる。各ゼミの定員は15人で、内布ゼミは現在25人(2年次16人、3年次9人)で運営されている。

「大学での学習は講義とゼミから成ります。このうち講義は教員から一方的に知識を授けられものです。これに対して、少人数の学生が教員を取り囲みながらコミュニケーションを親密にして学んでいくゼミ演習こそが、大学教育の真骨頂なのです。各自が研究テーマを設けて、情報収集をし、分析し、論理的思考をし、そして結論づけていきます。そんなゼミの最大の意義は、それらを自らの力でやり遂げるところにあります」

ここのところの内布ゼミでは「企業法諸問題基礎研究」を全体テーマにしつつ、2年次ゼミ生はグループ研究、3年次が個人研究という段取りで運営されている。その研究成果は「ゼミ論集」としてきちんと冊子にもまとめられる。そうした学生たちへの指導方針について先生は次のように熱く語ってくれた。

「とにかく基本的な法的素養・法的知識、そうした基本を身に付けてほしい。わたしから言いたいのはそれだけです。法律を学ぶ大学生として恥ずかしくない、基本となるリテラシーを身に付けてくれたらいいと思っています」

最後になったが、じつは内布先生は中国の大学でも、教員を対象にした市場経済取引ルールのレクチャーをしてきた。

「中国はWTO(世界貿易機関)に加盟して市場経済化しましたが、北京や上海などの大企業はともかく、内陸部の企業などではそのルールへの関心が薄いのが実情です。ともすれば大学にも、きちんと講義できる教員がいないところもあるくらいなのです。それで中国側から依頼されまして、お役に立てるなら、と協力しているのです」

こんな生徒に来てほしい

高校生までは受け身で学ぶ姿勢でもいいのですが、大学生になると自分から進んで取り組む能動的な姿勢が絶対的に求められます。東京経済大学の建学の精神に「進一層」というのがあります。これは前向きのチャレンジ精神のことをいいます。前向きの向上心や好奇心をもった人こそが、この大学の精神に合う人で、またこの大学で伸びる人ではないかと思いますね。

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