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AO・推薦入試対策 志望理由書編 【早稲田塾】

やってはいけない<レッドカード>

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①内容的に途中で終わる

志望理由書は提出期限までに自由に書き直せるから、例えば2000字の制限字数を埋めきれないといった事態は想定しにくい。埋めようと思えば2時間もあればできるから。ただそれで一次選考を通過できるか、総合評価で高い位置を占められるかとなるとほぼ不可能である。

冒頭に述べた「提出期限までに自由に書き直せる」というところを志望者の多くが勘違いする。おおむね「だから余裕がある」に近い結論を出してしまうのだ。しかし筆者(坂東)が見てきたこれまでの出願者の傾向は正反対で、「だからギリギリになって慌てる」が非常に多い。

この一種の勘違いは「締め切り」のある文章世界ではむしろ当然である。編集者という職業がある。その最も大きな仕事の一つが作家に「締め切り」を守らせる、だ。電話で催促し、それでも原稿が来なければ自宅へ押しかけ、さらにせっぱ詰まれば作家を拉致監禁?する。具体的にはホテルの一室などを予約して作家を押し込め、「缶詰」にするのだ。そうやってやっと日の目を見た作品は数多くある。

プロの作家でさえそうである。また、作家ならば締め切りを守らせるため、編集者が守り神(または鬼)として伴走する。でも志望理由書は違う。自分だけで書こうとすれば催促はだれもしてくれない。締め切り(提出期限)に間に合わなければ、出願要件を満たさないのでその時点でアウトである。

では、なぜそうした勘違いが起きるのか。それは大多数の志望者が「志望理由書」とやらを書いたことがないので時間配分のイメージがつかめないからだ。第一志望に合格した皆さんの先輩に聞くと、かなりの人が20回から30回は書き直したという。そこで次のようなことを確認していこう

ⅰ)提出期限の確認
ⅱ)今日は何月何日か

ⅰ)を決めるには志望校そのものを当然決めなければならない。それは人さまざまなので、高2生でまだ決まっていない人のため、提出期限は次のような設定としておく。

AOの場合……9月から10月に集中する。よって間の'09年9月30日としよう
公募制推薦の場合……11月上旬とみていい。'09年11月10日としよう

ⅱ)はこの原稿がアップされる予定の9月上旬。仮に’08年9月10日とする(※)。すると残り時間は

AOの場合……'09年9月30日-'08年9月10日=約385日
公募制推薦の場合……'09年11月10日-'08年9月10日=約426日

となる。
(※「志望理由書対策入門」の内容は、早稲田塾生専用サイト内にて15回分早く連載されています)

志望理由書は、生徒会活動、部活や課外活動、学外活動のみを記せばいい「活動記録」を除けば、志望大学・学部・学科を選んだ理由や学びの計画、将来イメージなどが必要となる。それを調べるのに2ヶ月(約60日)はほしい。日々の高校生としての活動(勉強や課外活動)の合間に行うからそれくらいは必要だ。と同時に提出期限のせめて1週間(7日)前には完成させて、誤脱字のチェックに充てたいから、そこも執筆の必要日数から外した方が安全だ。合わせて67日を引くと

AOの場合……約385日-67日=318日
公募制推薦の場合……約426日-67日=359日

ところで、皆さんは現実問題として、定期テストにしゃかりきになる時期があろう。高2生だと概ねあと4~5回ある。そこにそれぞれ1週間(7日)かけると、(本来はそうした駆け込み勉強の仕方自体が間違っているけれど仕方ない)35日くらいが吹き飛ぶ。それをさらに引くと

AOの場合……318日-35日=283日
公募制推薦の場合……359日-35日=324日

これが基数となる。ここには年末年始休みや遊びなどの「誘惑の日」はカウントしていない。この点を十分注意してもらった上で30回の書き直しをするとなると、1回の執筆にかけられる日数は

AOの場合……283日÷30回=約9.4日
公募制推薦の場合……324日÷30回=約10.8日

要するに高2生の9月上旬から取り組んだとしても、平均して10日に1度は書き直さなければならないのだ。意外と時間がないことがわかろう。これが’09年の年明け(1月5日)から始めると、AOで約6.9日、公募制推薦で8.2日と、1週間に1回は書き直す状況にまで追い込まれる。

ちなみに出願の早い慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部(SFC)の’08年は提出期限が8月20日。’09年の年明け(1月5日)で換算すると約5.5日に1回の書き直しとなる。

ここが分かっていない人(=世の中の大半の高校生)が実に多い。30回の書き直しは決して脅しでも珍しいことでもない。それくらいしないと、字は埋まっていても中身が充実していない「内容的に途中で終わる」に陥る。

ちなみに現高3の方はⅰ)とⅱ)はご存じであろうから残り日数を計算しよう。そして今まで積み重ねた書き直し回数(換算でもいい)を30回から減じた数で残り日数を割ると、何が自分に起こっているのかわかるはずだ。

ここで高1生を入れなかったのは、志望理由書の多くが高校時代での活動を盛り込む一方、高1生は今まさにそれをしている最中だから。要するに書く材料がまだないか、乏しいからである。

著者紹介

【坂東太郎】

毎日新聞記者などを経て現在、早稲田塾論文科講師。 現在、日本ニュース時事能力検定協会監事を務める。 著書に『マスコミの秘密』『時事問題の裏技』『ニュースの歴史学』など。

※「志望理由書対策入門」の内容は、早稲田塾生専用サイト「マイページ」にて15回分早く連載されています

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