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AO・推薦入試対策 志望理由書編 【早稲田塾】

志望理由書に必要な要素1 自己分析・自己PR ~パート2~

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パート1では

書き手の知っていることを読み手(採点者)は知らない

ことが、しばしばあると述べた。では十分にわかるよう、5W1Hを組み込めば成立するかというと、十中八九は大丈夫。ただし次のような場合は注意が必要だ。

【文例】

私は困難にぶち当たるほど燃える。テストの点が悪ければ即刻復習して次のテストに備える。結果として80点だとしても満足しない。満点を得ても今度はそれを持続しようとさらに努力を続ける。その甲斐あって受験科目に苦手は一つもなくなった。このように努力すれば願いはかなうのである。

これだと「そんなことができるのはあなたぐらい」と切り替えされ、「○○さん例外論」で放り出されてしまう恐れがある。
この文章の自己PR部分すなわち「……苦手は一つもなくなった」まではいい。問題は、そこから「このように努力すれば願いはかなうのである」という結論へ結びつく点。自己分析を一般化する過程を飛び越えて

私(私たち)にはできた。だから皆もできる

という論理の跳躍が発生しているのだ。だから「例外論」と見なされる危険性が生じる。そうではなく

自分の経験はそうであった。一方で一般的状況は必ずしもそうではない。だとしたら自分の経験から助言できることは最低限○○である

という過程をはさむ一工夫がほしい。

それでも客観的な評価を定めやすい活動記録ならばまだ楽である。意外と難しいのは自身の性格や潜在的な能力を価値づける「自己分析」だ。
そもそも自己分析=「自分とは何者か」は最も分析しにくい、できても文章にしにくいジャンルである。というのは次のような仕組みが必然的に矛盾を生じるからだ。

①自分の判断を「主観的」という
②他者も交えた共通の判断を「客観的」という

すると「自分とは何者か」とは

自分=「主観」①の対象を「客観」②せよ

と命じられるに等しい行為。そもそも「主観的」と「客観的」は反対の概念なので、ねじれが生まれるのだ。

例えば「友人Aを客観的に分析せよ」といわれれば比較的容易にできる。なぜならば友人Aは元々「他者」だから。ところが自分で自分を客観的に評価するといっても、「自分は自分だ」という以上の答えを通常は持たないし、日常生活でも困らない。あえて意識する場面があるとしたら短所だろうが、書類や志望理由書に短所を書き連ねる人もいないので、長所を探さざるを得ない。ところが長所は短所としばしば表裏の関係にあるので、自分で自分を分析していると、どうしてもありふれてつまらない内容に陥りがちだ。

長所 短所
ねばり強い ガンコ
好奇心旺盛 移り気
積極的 落ち着きがない
思慮深い 消極的
友達が多い 八方美人
のめり込む オタク


などなど。長所を書き連ねたつもりが読み手は逆に読んでいる危険性もある。
こうしたねじれ構造がある以上、自己分析に煮詰まる場合が出てくるのは、むしろ自然である。ではどうしたら脱出できるか。一番楽でいい方法は、他人に自分の分析を聞いてしまうのだ。

考えてみれば、書類・志望理由書の読み手や面接者が、「この人は自己分析がきちんとできているな」と判断する基準は、読み手や面接者という他人から見た受験生(皆さん)の印象と、受験生自身の文章内容や面接での言動が一致した時だ。すなわち書類・志望理由書や面接の評価は、本当の意味での自己分析(神のみぞ知る)が問われるわけではなく、他者の観察を自覚しているかどうかが問題となる。
となれば自分で自分を分析するよりは、最初から他人に自分の印象を聞き出しておいて、それを文章に埋め込んだり、面接で発言すれば「彼(彼女)は自分をわかっている」という印象を相手に与える大きな効果がある。
では、聞く相手たる「他人」は誰か。最も身近なのは友人だ。ただし、ほめられるばかりでは片方の分析しかできない。といって友人は親しいから友人なわけで、単に「私をどう思う?」と聞くだけでは、基本的にほめる側になる。したがって、聴取の場面では否定的な意見も言ってほしいことや、何をいわれても怒ったり悪く思ったりしない、とわかってもらうこと。

少し勇気のある方法としては、ふだんは仲が悪い人(友達でない)に「私をどう思う?」と聞いてみる。前置きをしなくても、自分の嫌なところを心ゆくまで教えてくれる上に、元から仲が悪い相手だから悪口を言われてもさして傷つかない。自分を最も知る者は、自分を最も愛している者とは限らない。それと同等以上に「敵」はあなたをつぶさに分析しているはずだ。

以上のような作業を終えたら、【例】で示したように、取材したコメントを似た性格別にグループ分けする。その上で【例】に示したように、長所の半面である短所およびその逆を線でつないでみる。すると、他人がみた自分の分析が図示できる。そこから大きなかたまり、つまり自分の性格や能力(あるいは容姿)で、良くも悪くも他人にインパクトを与えている部分から文章にしていくと、適度な内容に仕上がるはずだ。

著者紹介

【坂東太郎】

毎日新聞記者などを経て現在、早稲田塾論文科講師。 現在、日本ニュース時事能力検定協会監事を務める。 著書に『マスコミの秘密』『時事問題の裏技』『ニュースの歴史学』など。

※「志望理由書対策入門」の内容は、早稲田塾生専用サイト「マイページ」にて15回分早く連載されています

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