志望理由書に必要な要素5 将来像・未来像~公認会計士・税理士
公認会計士は経済・経営・商学関係の学部・学科を進学先と考えるが、業務独占資格のなかでも最高峰と位置づけやすい。ただしその仕事内容については、同じ業務独占資格である医師や弁護士などに比べて知られていない。理由は以下に述べるように、対象が少ないからである。
公認会計士は企業の「経営成績通知表」ともいえる「財務諸表」を、独立した第三者として監査(調査)し、「適正」か否かを証明する権利を独占する。しかしその証明が必要な企業はごく一部である。
公認会計士は経済・経営・商学関係の学部・学科を進学先と考えるが、業務独占資格のなかでも最高峰と位置づけやすい。ただしその仕事内容については、同じ業務独占資格である医師や弁護士などに比べて知られていない。理由は以下に述べるように、対象が少ないからである。
公認会計士は企業の「経営成績通知表」ともいえる「財務諸表」を、独立した第三者として監査(調査)し、「適正」か否かを証明する権利を独占する。しかしその証明が必要な企業はごく一部である。
1つは
東京証券取引所(東証)などで株式を上場している、あるいは上場しようとする株式会社など
もう1つが
資本金が5億円以上あるか負債(借金)の総額が200億円以上ある企業
だ。
1つ目は、企業は上場によって、すなわち会社発行の株券を取引所で多くの人(株主)に買ってもらい、そのお金を元手に経営しているので、株主に正しい情報を提供する義務があるとの趣旨から「金融商品取引法」に基づいた監査を行う。2つ目は大企業か大借金企業。どちらも、潰れでもしたら社会的に大きな影響を与えるので「会社法」に基づいた監査を行う。
要するに相手は「大きな会社」。だからこそ第三者が成績をチェックしなければならない、と法で定められている。ではそのような企業がどのくらい日本にあるかというと約1万社だ。
これぐらいの規模の会社の財務諸表は膨大である。主に4種類あり、そのうち「損益計算書」がズバリ学校でもらう通知表などに当たる「経営成績」で、「貸借対照表」はバランスシートとよばれる会社の健康診断書のようなもの。これらが成績や健康状態を正しく示している(あるいは適正でないとする)と公認会計士は証明しなければならない。当然1人で何とかなるという話ではなく、また資格を取れたらすぐにできるという仕事でもない。よってほとんどの公認会計士は「監査法人」という組織に属する、一種のサラリーマンとして社会人の一歩を踏み出すのが普通である。
この監査法人自体、年々寡占化が進んでいて、経験を積んでも、独立して自分が新たな監査法人を作り、顧客を得るのは容易ではない状態だ。
他にも、近年、会計を取り巻く環境の変化は大きい。1つは「会計ビッグバン」と称される一連の流れだ。独自の部分も多かった日本の会計制度を、「時価会計制度」、「税効果会計の仕組み」、「連結決算」といった概念を組み込んだ、国際標準へ近づけるために法改正などが進んでいる。さらに、08年頃にはっきりしてきた景気悪化にともない、その見直し論議まで起きている。もう1つは06年から改正された新公認会計士法に基づく変化で、監査担当会計士を7年で交代させるなどの変更があった。同年は公認会計士国家試験も一部変更になった。
公認会計士の職務に対する厳しさも増している。そもそも、監査を求めて報酬を支払うのは企業だ。つまり公認会計士にとって企業は「お客様」でもあり、気分としては彼らに都合の悪い通知表や健康診断書は作りにくいとの体質が、かねがね指摘されていた。それが事件化したのが、05年9月に4人の公認会計士が大企業のカネボウの粉飾(ごまかし)決算の共謀容疑での逮捕。他にもライブドア事件などで、公認会計士の資質が厳しく問われてきている。
経済・経営・商学などのジャンルは、司法における法曹(司法試験合格者)や医療における医師・看護師などの国家資格ほど、「この資格がないとできない」わけではない。原則として、何の資格がなくても会社は作れるし社長にもなれる。したがって「経済系だから公認会計士」と決めつける必要はない。あくまでも、これまで説明してきたような仕事を積極的にしたい人が目指すべきだ。
仕事の範囲だけでいうならば、公認会計士よりも税理士の方がずっと広い。税理士とは個人(所得税など)や会社(法人税など)に依頼されて、適切な財務諸表を作成するなど税務の代理人になれる業務独占資格で、公認会計士は自動的にその資格を得られる。もちろん税理士試験を突破すれば「公認会計士でない税理士」になれる。
どんな小さな企業でも決算は行わなければならない。だが、規模が小さくて経理担当を1人雇うのがやっと、という企業はたくさんある。個人経営のような、商店街の八百屋さんでも決算は必要。そんな場面で心強い味方になれるのが税理士だ。だいたい月3万円ぐらいで引き受け、決算月だけは10万円から20万円払うというのが相場である。するとお客さんを1社獲得すれば年間50万円。10社で500万円ほどになる。気さくで腰が軽く、そして当然ながら税務に明るい税理士ならば、評判を呼んでこのくらいの年収は確保できよう。









