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AO・推薦入試対策 志望理由書編 【早稲田塾】

国際基督教大学特別入学選考

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05年入学生から始まったICUの試験形式。ほぼAO入試の形式を取るものの、同大学ホームページによると、今回主に述べる「Aカテゴリー」では以下の2点に注意が必要だ。


  • 1)評定平均が原則として4.1必要なこと

  • 2)「エッセイ」などの事前提出が求められること

米国では日本の一般入試に当たる試験形式がほとんどなく、「SAT」という日本の大学入試センター試験にやや似た(違いもかなり大きい)試験の成績が大切となる。なお、英語を母国語としない志望者にはTOEFLの成績が必要だが、これは米国での授業の圧倒的多数が英語なので、仕方ない。ある意味で米国の入試はすべて、AO入試といっていいのだ。

では「一般入試的なもの」がまったくないかというと、主にトップレベルの大学で課される場合の、ある科目として「エッセイ」がある。日本では「小論文」と訳された科目が該当しよう。ただし、その性質は日米でずいぶん異なる。「エッセイ」は主に人物を見るために必要とされるようだ。米国のトップレベルは、単なるガリ勉さんを欲しがらない傾向がある。その点もAO入試本来の目的と一致する。ICUはプロテスタント系の諸宗派が立場を超えて設立した、経緯のあるリベラルアーツを掲げた大学なので、米国の制度に似ていてもおかしくない。ちなみに一般入試の科目も独特で、SATを連想させる。

特別入学の話へ戻る。募集は、「Aカテゴリー」「Bカテゴリー」合わせて40人ほどで多くはないが、こぢんまりとした大学の規模を考えると結構な数とみなすこともできる。志望理由書とは別に、問題の「エッセイ」を事前に1500字以内にまとめて提出するよう求め、「面接での主要な材料となる」と明示している。 「課題」は制度スタート時から09年入学生まで変わらず以下の通りとなっている。

【課題】初対面の人(複数)に、自分の特長を深く、かつ正確に知ってもらおうとする時、あなたは自分の経験を、どのように伝えますか。以下からテーマを一つ選んで書いてください。

  • a)あなたに深い感動を与えた人物との出会い
  • b)あなたの人生の転機となった経験
  • c)あなたの物の見方・考え方に大きな影響を与えた経験
  • ※「経験」は、体験、人との対話、芸術との出会い、その他広く考えてよい

ここで、a・b・cのどれを選べば有利というのはなさそうだ。ただし、比較的多数がcを選ぶ傾向がある。取っ付きやすそうだからか。だが、書いてみると意外と難しいテーマである。

もちろん内容は大切だ。しかし出題者が最も重視するのは、「初対面の人(複数)に、自分の特長を深く、かつ正確に知ってもらおうとする時」という前置きであろう。これは、他のAO型入試には滅多にみられない。筆者(坂東)は小論文や志望理由書の指導で、「あなたの知っていることを読み手は知らない」がしばしばあると述べている。「人物」「転機」「経験」は、「あなた」自身は説明するまでもなく知り抜いていることだ。だが「初対面」の人にはわからない。それを「深く」「正確」に伝えよとの題意は、文章で正しいコミュニケーションができるかどうかを試されていると考えた方がいい。

ところで「Aカテゴリー」は、エッセイとは別に「学校内外における自己活動歴と自己分析」を求める。その内容は

高等学校在学中に、学校の内外で比較的長期(少なくとも2、3週間以上)にわたり参加した教科外の諸活動を通して、指導者(リーダー)としての自分の資質を、どのように評価することになったかを、的確に分析し800字以内で述べてください。
※「教科外の諸活動」は、クラブ活動、生徒会、ボランティア活動、学外団体への参加など、広範に捉えて構いません。

である。

ここで「私はクラス委員長も、生徒会長も、実行委員会の委員長も、部長も、つまり『指導者』っぽいことをしていない」と頭を抱える人がいる。それは間違いだ。リーダーシップには、グイグイ「引っ張る」だけでなく、「つなげる」「支える」などさまざまな形がある。まったく孤立して生きているのでなければ(そのような人は存在しない)、何かあるはずだ。

評定平均で学力を、エッセイでコミュニケーション能力を、「自己活動歴と自己分析」でリーダーシップを見るという入試のあり方は、人物評価をするに当たり実に的確である。

1次選考を通ると2次(最終)として「面接」がある。内容は

ある課題についての資料をその場で読み、グループ・ディスカッションを行います

これらは、1次選考で問われた「学力」「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」を同時に審査するには、最適の方法である。なぜならば、それらが備わっていないとグループ・ディスカッションで高い評価を得られないから。

このようにICUの試験は、2次に至るまで極めて真剣、かつ合理的に考えられており、この形式の試験にかける大学側の真剣さもまた、伝わってくる。AO入試発祥のSFCに匹敵する「本気」のAOだ。

著者紹介

【坂東太郎】

毎日新聞記者などを経て現在、早稲田塾論文科講師。 現在、日本ニュース時事能力検定協会監事を務める。 著書に『マスコミの秘密』『時事問題の裏技』『ニュースの歴史学』など。

※「志望理由書対策入門」の内容は、早稲田塾生専用サイト「マイページ」にて15回分早く連載されています

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