立命館大学「各学部による独自方式」エントリーシートの概要4-内容別-
前回は「基本的なパターン」でない方式を扱った。今回は「基本的なパターン」のうち、C欄とD欄について考えていく。
C欄……入学後に学びたいテーマなど。要項にある文言だと「入学後に学びたい分野やテーマについて」
D欄……卒業後の進路。要項にある文言だと「卒業後の進路(就職や大学院進学など)についての希望」
●産業社会学部「産業社会小論文方式」
出願条件から察して、ある程度の成績を高校で修め(3.5以上)た上で、課外・学外活動で「一般の新聞に掲載」「学外団体から評価・表彰」「全国レベルのコンクールで入賞」レベルの活躍や、英検ならば準1級以上という「めざましい」実績を求める。アドミッションポリシーも
・秀れた学業
・自分で目標設定ができ、その達成のため努力できる
・リーダーシップがある
あたりを求めている。よって高校生までの活動をベースに、つまり学業でもそれ以外でも成果を挙げてきたという事実を基に、ゼミや授業を活性化させる中核となり大きな目的を卒業後にかなえる器である、とのアピールをする必要があろう。
すべての専攻のうち、現代社会、メディア社会はマスコミ志望が多い。スポーツ社会にもその傾向が目立つ。悪いとはいわないまでも、漠然とした志望だと「自分で目標設定がで」き」るの逆の、漫然と他人の傾向にしたがうと見なされかねない。特にD欄をマスコミとする場合には業界の研究も欠かせない。その際に、これまでの「めざましい」をどう生かすかを表現するのは当然であろう。
子ども社会を専攻する場合は小学校・中学校・高校教諭でも差し支えない。いかにスーパーな先生になるかという能動的な姿勢をPRできれば、好ましい印象を与えよう。
人間福祉の専攻者も含めて、昨今は非政府組織(NGO)や非営利組織(NPO)を志向する傾向があるのもこの方式の特徴である。悪くはないが、ややもすると「厳しい商売が待ち受ける民間企業」も「試験が厳しい公務員」も嫌だから、その中間にある何となく居心地のよさそうな組織としてNGO、NPOをとらえる向きがある。これだとアドミッションポリシーの正反対となるので厳に慎みたい。
●国際関係学部
「国際関係専攻選抜方式」は高校卒業見込みであれば誰でも受けられる、条件のハードルが低い方式である。アドミッションポリシーを分析すると、リーダーシップのある者を求め、在学中の海外留学などで「グローバルリーダー」になってほしいとの思いが読み取れる。その能力は主に会場試験ではかられ、出願書類はそれと一緒に行われる。会場試験は講義理解力テストと小論文を一体化したような内容なので、小論文の勉強に一層いそしむ必要があろう。
国際関係学部「グローバル・スタディーズ専攻選抜方式」は、英検ならば準1級以上と「めざましい」語学力を元々の条件とした上で、英文で書く講義理解力テストと、小論文を一体化したような内容の会場テストを抱き合わせて一次選考とする。求める学生像は「国際関係専攻選抜方式」とほぼ同じ。
立命館に限らず、「国際」と名がつく学部・学科を志向する受験生の将来像は、判で押したように「国連」「外交官」である。JICAというのも最近目立つ。産業社会学部と同じようにNGO、NPOも多い。それらをいけないとはいわないまでも、例えば国連であればどの組織なのかという進路発見が欠かせない……というと、ユニセフあたりにまた殺到してしまう。
「グローバル・スタディーズ専攻選抜方式」の場合は、出願条件から推して「英語押し」でいくのは仕方がないとして、他にいかなる特色を出せるかがC欄でとくに大切になりそうだ。皆が皆「英語使い」なのはわかっている。「めざましい」をさらに上回る「ものすごくめざましい」(英検1級、TOEIC800点以上)ならば「英語押し」もよかろう。逆に出願条件を若干上回る程度だと「英語押し」だけでは物足りない。カリキュラムをよく研究して学びの独創性を出題者に提案するよう心がけたい。
●政策科学部「政策科学セミナー方式」
国際インスティテュート国際公共プログラムを選択すると、英検で準2級以上を聞いてくる。とはいえ他学部の語学条件に比べて緩やかだ。同プログラム以外は高校卒業見込み以上の条件を問わない開かれた学部である。
この学部はC欄の「入学後に学びたいテーマ」設定が重要になる。いわゆる文理融合型の、東京圏ではSFCに似た理念を掲げており、包含する範囲も政治学、行政学、法律学、経済学、経営学、社会学、建築学、環境学、都市工学、情報学と広い。といってそのうちの1つを指定すれば「法学部にいけばいい」「経済学部でなぜダメか」といった反論を受け、といってあれもこれもと述べると紙幅が尽きるのと、テーマ設定があいまいになるとの困難を抱えるのだ。広範囲の設定から1つを選び出すと別の学部に行けばいいといわれるのは理不尽に感じる。しかしそれも含んでの志願なのだから嫌がってばかりもいられない。
一つヒントとなるのが、志願者がいかなる問題意識を持っているかという点。例えば環境問題としたら政治、経済から理系の知識まで大きく手を伸ばして理解しなければ、全体像はわからない。アドミッションポリシーにも「現代において解決を迫られている様々な政策課題に独自の関心を持っている人」を求めるとある。課外学習などで深めたものがあれば、材料として使用すると効果的かも。









