【S3P】 第5・6講 東京大学雪の陣・・・そして
【S3P】 スーパー スペースシステムズ プログラム 第5講・6講
開催日:2月2日(土)、3日(日)
場所:東京大学本郷キャンパス、早稲田塾・秋葉原校
早稲田塾SOHKENの花野です。
今回は【第5講・6講】をまとめてレポートします。
前回から一週間後の秋葉原校にて、14:30よりS3P第5講のスタート。
そのすぐ翌日の第6講は、東大の中須賀研究室を午前中に訪問。
東大の打ち上げた超小型人工衛星CUBESATの発信音を聴いた後に、
正式に中須賀教授たちの前でミッション案をプレゼンすることになります。

【第5講】
第5講のテーマはストーリーづくり。
前回プレゼン発表されたミッション案は
中須賀教授が事前にチェックしました。
大体において実現可能なミッションであるものの、
多くを詰め込みすぎていたり、展開させるミッションの意味が明確でなかったり・・・
という点が指摘されました。
ただ作るのではなく、
そこに何か大切な意味があってこそ、
「ものづくり」となります。
ものづくりの楽しさと厳しさを、高度なCANSATミッションを通して学んでゆくのがこのS3Pの核の部分です。ミッション案の意味と目的=“ストーリー”を明確にする作業をこの第5講で行います。
ストーリーが明確であればあるほど、
必要・不必要な装置も明確に分かってくるのです。
ものづくりのプロセスを土台から学んでゆけるのがS3Pの魅力ですね。

中須賀教授も16時から参加。各班をまわって相談に乗り、アドバイスをしてゆきます。

途中で宇宙人との交信、地球環境問題・・・ストーリーがどんどん巨大になってゆく非現実的傾向になったため、一度修正。 現実路線に戻してゆきます。

「夢は素晴らしいことです。ただし実際にミッション作業に入って形にしていく上で、現実的に計画しなければ」

自分たちで実現可能なレベルを確認して絞り込んでゆきます。
松井さんというプログラムの専門家も参加。塾生を助けてくれます。

明日を控えてのプレゼン発表。ますますプレゼン能力が鍛えられてゆきます。

最後に吉谷先生が自作のロボットを披露。
お辞儀や、イナバウアーまでこなす
精巧な動きのロボットに皆拍手喝采です。

そういえば、吉谷先生はグループワークとグループ間の交流の大切さも教えてくれましたね。
「吉谷先生が最初におっしゃってくれたからだけど、
このプログラムは、グループ間の交流があってとても楽しい。」
これはある参加塾生からのコメントです。
さあ明日の舞台は東大、中須賀研究室です!
【第6講】
最後の実験をのぞけば、全体で集まっての講義としては最後となる第6講!
あら、世界が白い・・・。

そう、朝から大雪です。
第1講が激しい雨だったことを考えると、
なかなか東大はドラマチックな舞台をS3Pのために用意してくれています。
朝8:45分、東大正門前集合。かなり大変です。

みんな集合、えらい!
さて雪に元気づけられつつ(?)、
工学部7号館・中須賀研究室へ。

関係者以外滅多に入れない研究室内部。
いろいろ面白そうな機器が並んでいますが、
部屋の窓際の棚にある小型スピーカーとコンピューターに注目。
これを通して、9:15に東京上空を通過する人工衛星CUBESATの
信号音を今から聴くのです。
数分の待ち時間の間に説明をしてくださいます。

「衛星と1日2回通信出来るんですね。
そのときのピピピっていうビーコンの音は、小さい音から大きい音になってきます。
水平線からこっちに来るからですね。
そしたら地上から、つまりここからFM通信で「パケット送れ」の指示を出します。
パケットってのはデータのひとまとめの名称です。我々はビガーといいますが・・・」
宇宙から来る、人工衛星の声や如何に・・・。
みんな静かに耳を傾けます。

9:15分経過。何も聴こえてきません。
「あら、おかしいなあ」
中須賀教授の声が少し心配そうです。
「遅れとるだけだと思うんですが・・・もし発信音が来なかったら、
S3Pどころではなくなりますねえ。
そりゃ、やばいことですからねえ。
この発信音は衛星が生きとりますっていう合図ですから。
来なかったら、死んだってことですからね。」
ザー・・・と砂嵐だけが聴こえてきます。
「・・・来ないぞ。まさしく人工衛星の心音なので、それは来ないとまずい。」
来ないので、
ライオンのぬいぐるみを使って人工衛星の動きを説明。

「こういうふうに動いてるから、ちょうど向きが裏側で、遅れてるのかもしれない。
まあ今日は雪だし、天候の関係もある。」
笑ってよいのかどうか、妙な緊張の中、なおも時間が過ぎ・・・。
と、そのとき「ヒ、ヒュー、ヒュー、ブーブブブ・・・」
とささやくような音が聞こえて来ました。
「お!」
どこか口笛のような、生きているような音です。いわゆる規則的な機械音とは違いました。
ゆらぎのある、生々しい衛星の声でした。
音はだんだんと力強く、はっきりしてきます。
「全く、ドラマつくるねー」中須賀教授もほっと安心。
全く、ドラマな東大工学部です。
「自分の分身みたいなものだから、毎日この音聞かんと心配でしゃーない」
中須賀教授の愛情が感じられる発言に、みな微笑みます。
これがCUBESAT。

今ではすっかり身近になったCANSATも横に並んでいます。

さて部屋を変えて、プレゼンが始まります。
15分の最終準備で素早く打ち合わせ。

このプレゼンのために、雪の中、朝6:30に近くのマクドナルドで集合した班もあったのです。




中須賀教授と永島先生も楽しそうに聴いています。

永島先生は昨年のS3Pで大変お世話になった、東大工学部の若きホープ。
プレゼン後は東大工学部の施設見学。
屋上のアンテナ。
これで衛星信号をキャッチするのです。

雪の中に動くアンテナは印象的でした。
ラボ見学。

何とちょうど超小型人工衛星を作っているところです。
みんなの関心が一気に高まります。

先ほど朝の衛星信号受信のときに操作していた女性が製作しています。
「あれはプリズムという名の衛星で今年打ち上げ予定です。
そしてジャスミンという名の衛星もあって、これは来年打ち上げ予定です。
東大は今まで2つ超小型衛星を打ち上げ成功させているんですよ。」
「衛星はほこりを嫌いますからね、こういう環境で製作するのです。
それから静電気にも注意ですね。一発で機械がダウンしますよ。
携帯電話も静電気を帯びた手で触るとアウトですからね。
私はしょっちゅうダメにしてます。」
ラボの中には様々な設備があります。
「これは保冷庫。宇宙環境下での調査のためですね。
-30℃から+70℃まで調節出来ます。
10分で最低温度までいきますから、夏は飲み物を冷やすのに最適です。
そしてこれは振動機です。
ロケット発射時は信じられないくらい揺れるので、機械の耐性を実験しなくてはなりませんからね。」

中須賀教授が軽快なトークで楽しませてくれます。
さて雪の中、安田講堂正面の階段を下りて、東大学食に移動。

頭を使ったあとは腹ごしらえです。
バラエティーに富んだメニューに皆盛り上がります。

「よーし、1年後は毎日ここで昼をたべるのかぁ。」
頼もしい塾生からの発言です。
いただきます!

さて午後は、東大から早稲田塾秋葉原校に移ります。

中須賀教授と永島先生が各班につき、
回路、必要なシステムをアドバイスします。


気球実験までの約1ヶ月は、基本的に各班自主制作。
そのためにも製作過程の超具体的な把握が必要になってくるのです。
休む暇のない、濃すぎる雪の1日です。
リラックス体操?

中須賀教授も黒板をフルに使って説明を展開します。

各班必要事項を黒板に書き込んで、全容把握を目指します。

この後は懇親会で皆で食事。
しかし1時間後30分後には再び教室に上がり、作業を続行します。

最後までアップテンポのプログラムです。
全体での講義はこれで最後といえ、実はこれからが正念場。
今後は基本的にすべてグループごとの作業。
各班でミッションを製作し、
3月上旬に東大で行われる、CANSAT気球実験に間に合わせなくてはなりません。

ここからがS3Pものづくりの涙と笑いのドラマのスタートなのです。

そう、ここからが始まり・・・。
以後もレポートは続きます。
