1. ホーム
  2. 大学プロデューサーズ・ノート 【早稲田塾】
  3. 大学入試でTOEICの活用が進む

大学プロデューサーズ・ノート 【早稲田塾】

大学入試でTOEICの活用が進む

マイスターです。

かつては、大学を意識して取得する英語資格と言えば「英検」でした。
しかし、そのイメージも、これからどんどん変わってくるかも知れません。

【今日の大学関連ニュース】
■「大学入試:3割がTOEICを利用」(毎日jp)

大学や大学院など、全国の高等教育機関の約3割が、入学試験でTOEICの点数を利用していることが分かった。03年度から2倍以上増えた。TOEICテストを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(東京都千代田区)がまとめた。

調査は07年9~10月、全国の大学、大学院、短期大学、高等専門学校に調査票を送付してTOEICテストの活用状況を聞き、計1769校が回答した。内訳は、大学721、大学院618、短大368、高専62校。

入学試験で優遇したり、出願資格の一つにしているのは計488校で、前年比45校増。同協会によると、AO入試で得点に加算したり、外国語試験の代替として認めているケースが多く、難関といわれる私大では600点から700点から加算対象にする大学もある。推薦入試などでは、高校卒業レベルの400点前後を出願資格にすることが一般的という。

また、単位認定に使っている大学も前年より増えて435校になった。指定の点数を取らないと卒業できない大学もある。山口大学では、1年生は全員300~350点を取らなければならない。学部によってはさらに高得点が求められ、農学部の獣医学科などでは400点が2年生への進級条件になっている。

同協会は「90年代前半には、就職対策として、大学が希望する学生に受験を勧めるといった利用法が中心だったが、カリキュラムの一部として利用されるようになり、文系だけでなく、理工、農学部の利用も増えてきた」と話した。

(上記記事より)

そんなわけで、TOEICテストを入試などで考慮する大学が増えてきているようです。

TOEICは、「Test of English for International Communication」の略で、

TOEICテストは和文英訳、英文和訳などの技術ではなく、身近な内容からビジネスまで幅広くどれだけ英語でコミュニケーションできるかということを測ります。 また、ListeningとReadingという受動的な能力を客観的に測定することにより、SpeakingとWritingという能動的な能力までも含めた英語によるコミュニケーション能力を総合的に評価できるように設計されています。 (「TOEICテストとは」(TOEICテスト)より)

……と、ビジネスも含めたコミュニケーションに使える英語力を、合否ではなく得点で評価するテスト。

もともと、大学生が就職活動などを意識して受験するイメージが強かったものですが、最近は入試でも活用されるようになってきているみたいです。

TOEIC実施団体によるプレスリリースは↓こちら。

■「~2007年度入学試験・単位認定におけるTOEIC®テストの活用状況まとまる~ 高等教育機関でのTOEICテスト活用がさらに拡大 大学の約6割が入学試験・単位認定でTOEIC®テストを活用」(財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)

今回の調査によると、入学試験(推薦入試、AO入試を含む)や単位認定においてTOEICテストを活用している高等教育機関は、大学院134校、大学 435校、短期大学114校、高専47校の計730校で、全国の高等教育機関の約4割がTOEICテストを活用していることが分かりました。特に高専では約7割、大学では約6割の学校で活用されています。

各内訳を見ると、入学試験において活用していると答えた学校は前年から45校増え、488校(大学院134校、大学268校、短期大学64校、高専22 校)となりました。2003年度の調査と比較すると、実に2倍以上の学校が入学試験でTOEICテストを活用しています。また、単位認定において活用していると答えた学校も前年より47校増加し、435校(大学321校、短期大学71校、高専43校)となりました。こちらは2003年度と比較すると約6割強の増加となっています。(資料参照)

高等教育機関でのTOEICテストの活用が増えている背景について(財)国際ビジネスコミュニケーション協会齋藤一彦広報渉外部部長は「以前は各高等教育機関の一部の文系の学部がTOEICテストを導入していましたが、現在は理系の学部にも広まりを見せています。TOEICテストの活用方法も、進級・卒業の要件やレベルチェックなど多岐に渡っています。大学及び高校入試での外部検定試験の活用を促進する文部科学省の施策などもあり、入学試験でTOEICテストが活用される機会も増えています。本調査の結果はこういった活用実態を反映していると考えられます。」と述べています。

(上記リリースより)

この通り、広がってきています。

試しに、英検と比較してみました。

【入試での活用状況】

英検資格取得者を入試で優遇する大学
 2004年度:330校
 2005年度:350校(前年比+20校)
 2006年度:351校(前年比+1校)

TOEICテストを入学試験で活用する大学
 2005年度:212校
 2006年度:242校(前年比+30校)
 2007年度:268校(前年比+26校)

(参考)
■「英検のメリット:入試で優遇されます」(日本英語検定協会)
■「~2007年度入学試験・単位認定におけるTOEIC®テストの活用状況まとまる~」(財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)

この通り、大学入試での参考資料としては、現状では英検を採用する大学が多いものの、TOEICを採用する大学も急速に増えてきています。

では、大学入学後の単位認定では、どちらが多く使われているのでしょうか。

【大学入学後の単位認定での活用状況】

英検を単位認定の対象とする大学
 2004年度:221校
 2005年度:242校(前年比+21校)
 2006年度:257校(前年比+15校)

TOEICテストのスコアを単位認定の対象とする大学
 2005年度:264校
 2006年度:289校(前年比+25校)
 2007年度:321校(前年比+32校)

(参考)
■「英検のメリット:学校で単位が認定されます」(日本英語検定協会)
■「~2007年度入学試験・単位認定におけるTOEIC®テストの活用状況まとまる~」(財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)

大学入学後の単位認定には、英検よりもTOEICを採用する大学の方が現時点で多く、その差はさらに広がっているというのが、現状です。

企業が重視しているのがTOEICであるというのが、入学後にTOEIC受験を推奨する大学が多い、最大の理由でしょう。
(留学などを積極的に推し進める大学にとっては、国際的に受験者の多いTOEICの方が採用しやすいということもあるのかもしれません)

両方の推移を見てみると、

これまでは、「大学入試で重視する英語の評価と、入学後に重視する英語の評価が違う」という状況だったが、最近、それが一元化されてきた……

という言い方ができるのかもしれません。


個人的には、AO・推薦入試など、「入学後に伸びる学生」を選ぼうとする最近の傾向も、こうしたTOEICテスト採用の流れの背景にはあるのかな、と思います。

また、英検が面接を伴う試験であるのに対し、TOEICはリスニングとリーディングで構成される試験です。
受験生からすれば、リスニング導入後のセンター試験と似ているように感じられるTOEICの方が、勉強に対する心理的な距離感は小さいでしょう。

学力の定義や水準が変化していると言われる昨今、大学側にとっても、級の有無で表示される英検より、スコアで表示されるTOEICの方が、受験者のレベルの推移などを見るには便利なのかも知れません。

■(参考)「英検取得者のTOEICスコア(PDF形式)」(財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)


というわけで今日は、英語に関する話題をご紹介しました。

以上、マイスターでした。

著者紹介

【倉部史記(マイスター)】

大学院修了後、Webプロデューサー、大学職員を経て現在、早稲田塾SOHKEN(総合研究所)・主任研究員。

※ブログの内容に関するご意見・ご感想やお問い合わせ等は、以下のメールアドレスにご送付ください。 またこのブログでは、全国の大学関係者の皆様のための話題をご紹介しています。世の中に知って欲しい取り組み、各種イベントなどの情報もお待ちしております。

資料請求・各種お申込み・お問い合わせはコミュニケーションセンターへ

0120-173-573

月~土 / 11:00~20:00 日・祝 / 10:00~18:00
携帯電話PHSからもご利用頂けます。

  • 資料請求
  • 無料体験
校舎一覧