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大学プロデューサーズ・ノート 【早稲田塾】

アメリカの大学で、生ゴミを減らすためにひろがっている施策とは……?

マイスターです。

■大学が進める環境対策

↑以前の記事で、大学の環境対策をご紹介しました。

今、環境対策に熱心に取り組む大学は少なくありません。

学生の環境意識も、年々高まっていると思います。
例えば色々な大学の学園祭に行くと、ごみの処理やリサイクルなどが徹底されていて、いつも感心します。

食べ物を載せる発泡スチロールのお皿が二重構造になっていて、使い終わった後は表面のフィルムをはがすと汚れた部分だけが分離され、お皿の本体は水洗いすることなくリサイクルに回収できる、なんていうものも、ここ数年の大学の学園祭でよく使われているようです。
学園祭では大量のお皿が使われます。リサイクルのためにすべてのお皿を洗おうとすると、大量に水を使用することになってしまいます。そんな無駄を簡単に解決するための仕組みのようです。

さて、アメリカでは、ごみの量や、水の消費量を減らすために、こんな変わった施策が広がっているようです。



【今日の大学関連ニュース】
■「米大学の学生食堂からお盆が消える」(MSN産経ニュース)

米大学の学生食堂で、お盆(トレー)を使わないところが増えている。バイキング形式の学食で、生ゴミとエネルギー使用量を減らすことが目的だという。

食べ放題形式の学食では、トレーがあると、あまり食べたくないものも取り、結局、食べ残す学生も多い。「トレーを廃止した学食では、生ゴミが半分に減った」との報告もある。

(略)昨年からトレーを廃止しているメーン大学ファーミントン校のセオ・カリコー学長は「トレーを洗うコストもなくなり、生ゴミだけでなく、水の使用量も減った」と話す。ニューヨーク大学では今秋から、1日に1000食を提供する学食でトレーを廃止。半年間で、キャンパス内にある学食の50%でトレーをなくすという。

高等教育機関における持続可能性推進協会のジュリアン・ドートレモン・スミス氏は「全米に約4000校ある大学のほとんどが、5年以内にトレーを廃止するだろう」と予想している。

(上記記事より)

そんなわけで、食べ残しを減らし、ゴミの量や水の使用量を抑える結果につながる、ということで、学食のトレー(お盆)を廃止する大学が増えているとのこと。

「食べ放題形式の学食では」という部分が、日本と少し違っていますでしょうか。

アメリカの大学では、学生は学内の寮などで暮らすのが基本。
そして大学の多くは郊外に位置しており、まわりには外食できるお店など、あまりありません。
したがって、1日の食事の殆どを、キャンパス内の学生食堂でとる学生も多いです。
そんな事情もあり、学食では、「○○ドルで、1年間食べ放題」といった形式の契約コースを用意しているところも少なくないのだと聞きます。

そんなわけで、安心して好きなものを食べられる環境にあると、ついつい多めに料理を取ってしまい、結果的に残してしまうケースも出てくるということですね。

その解決法が、「トレーを廃止する」ことだというのは意外ですが、確かに我が身を振り返っても、食べ放題でトレーがあると、「まぁ、とりあえずとっておこう」と考えて、あれこれ乗せてしまいがちです。

トレーを廃止した結果、実際に生ゴミが半分に減ったケースもあるとのことですから、あなどれません。
心理学的なアプローチによる解決(?)ですね。


日本の学食では逆に、最低限の単品料理しか食べず、副菜をとらない学生を結構見かけます。
全部、定食メニューにしてしまえば、強制的に問題解決なのですが、それだと苦手なメニューを食べ残す学生が増えたりするのでしょう。
アラカルトの料理を充実させつつ、健康に良くないということで、バランスの取れた食事をとるようにポスターなどが貼ってあったりしますが、やっぱり食べない学生は食べないようです。

アメリカと違って、食べただけの支払いを求められる料金体系なのですから仕方がないのですが、こちらも何か、「副菜をとる行動を促す工夫」で、少しでも事態を改善できたらいいですね。
トレーが、「主菜、副菜、味噌汁」それぞれを置けるように初めから仕切られているとか……うーん、だめでしょうか。

でも学食に限らず、ちょっとした工夫によって、ものすごく簡単に人々の行動に変化を促し、問題が解決されてしまうということって、他にもあるかも知れません。
教職員や学生とで色々とアイディアを出しあい、思いついたものから試してみるのも良いかもしれませんね。

以上、マイスターでした。

著者紹介

【倉部史記(マイスター)】

大学院修了後、Webプロデューサー、大学職員を経て現在、早稲田塾SOHKEN(総合研究所)・主任研究員。

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