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大学プロデューサーズ・ノート 【早稲田塾】

京都大学×京都精華大学 マンガによる京大の研究紹介がウェブで読める?

マイスターです。

昨今では、大学を舞台にしたマンガが少なくないようです。
ドラマ化もされた『のだめカンタービレ』や『ハチミツとクローバー』がそうですし、農大を題材にした『もやしもん』もそうです。
動物のお医者さん』もそうでした。

音大や美大、農大や獣医系の大学で、どんな学びや学生生活が展開されているかというのは、縁がなければなかなか想像できません。
マンガでは脚色されている部分もありますが、とは言え、こういった作品を通じて大学の学びの内容に少しでも触れることができるのは、悪くないこと。こういったマンガがきっかけとなって大学の専攻を選び、その後、本格的に学問の面白さに目覚める人も少なくないと思います。
(「動物のお医者さん」がきっかけで獣医学部を志望したという人は、とても多いはずです)

それに、高校生に与える印象の強さという点では、大学が制作するパンフレットよりも優れています。
中学生や高校1年生のうちから大学案内をむさぼり読む人はあまり見かけませんが、良くできたマンガなら、そういったことも不可能ではありません。
マンガ形式だと、なぜか手にとって読み進めてしまうのです。マンガ、恐るべし。


さて、そんなマンガのパワーに着目した取り組みがありますので、ご紹介します。



【今日の大学関連ニュース】
■「漫画の縁 連携協定…京大PR冊子 京都精華大生描く」(読売オンライン)

京都大(京都市左京区)と京都精華大(同)は17日、研究や広報活動などの分野で連携をうたった基本協定を締結した。中高生向けPR漫画の制作を、京大が全国唯一のマンガ学部を持つ京都精華大に依頼したことがきっかけで実現。同日、披露された漫画冊子は近畿の中学、高校などに1万部配布され、尾池和夫・京大総長は「漫画という新たな手段で、研究成果を正しく理解できる層を広げたい」と期待している。

(上記記事より)

■「京大紹介の漫画完成 絵は京都精華大生」(Asahi.com)

京都大(京都市左京区)を紹介する漫画冊子「MANGA Kyoto University」が完成し、同大学で披露された。約1万部を全国の中学校、高校などに送る。「敷居が高い」とされる京大を身近に感じてもらうのが狙い。ストーリーは京大生らが考え、京都精華大(同区)で漫画を専攻する学生らが絵を担当した。

(略)実在の名物教員らが登場し、総合博物館や万能細胞などの研究内容をわかりやすく説明する。霊長類研究所の章では、最初はチンパンジーに相手にされなかった大学院生が、松沢哲郎所長の指導によって次第に意思疎通できるようになる過程を描いた。参加した精華大4年の宮坂美緒さんは「いかに分かりやすく、正確に伝えるか苦労した」と振り返った。

漫画家で精華大マンガ学部長の竹宮惠子さんが、冊子制作のいきさつを漫画で紹介したページも。尾池前総長は「予備校などへの配布も考えたい」と話した。両大学は今後も大学広報などに関して連携協力する基本協定も締結した。

(上記記事より)

しばらく前から、色々なメディアで紹介されていた取り組みです。

日本を代表する研究大学である京都大学の研究成果を、「マンガ学部」で知られる京都精華大学の学生達がマンガにするという、面白いコラボレーション。

内容を知るととても面白い京大の研究ですが、文章媒体だと敷居が高く感じられ、敬遠してしまう中高生も確かにいるでしょう。「まず読んでみよう」という気にさせるまでが、難しいところ。
そこで、マンガ形式を採り入れようというわけです。
京都大学と京都精華大学、お互いの強みを発揮した、ユニークな取り組みだと思います。


で。

近畿の中学、高校などに1万部配布されると記事にはありますが、↓実はこちらで、そのマンガを読むことができます。


■「京大マンガプロジェクト制作記(PDF形式)」(京都大学)


いかがでしょうか。

上記は、この漫画冊子「MANGA Kyoto University」の導入部分です。

この部分は、プロの漫画家として活躍し、現在は京都精華大マンガ学部の学部長を務める竹宮惠子教授が担当されています。
で、この後の部分は、京都精華大学でマンガを専攻する皆さんが書かれています。

大学関係者の皆さんなら、導入部分を読むだけで、「きっと大変だったんだろうなぁ」と、色々なことを想像されることでしょう。


ではいよいよ本編を……と言いたいところですが、その前に、このマンガがどこからダウンロードできるか、ぜひご自身で探してみてください。

京都大学のウェブサイトにあるのですが、5分以内に見つけられたら、たいしたものです。

■京都大学

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見つかりましたか?

正解は以下の通り。

●上記の京都大学トップページの右端に、「学術情報リポジトリ」というリンクがあります。
●「学術情報リポジトリ」の一番下に、「800 京都大学広報資料」というリンクがあります。
●クリックした先に、「マンガプロジェクト : MANGA Kyoto University」が見つかります。

※現在は、「学術情報リポジトリ」のトップにも画像付きのリンクが貼られているようです。

↓というわけで、正解はこちらになります。

■「京都大学・京都精華大学マンガプロジェクト」(京都大学)

マンガは良くできています。学生の視点を通じて、研究者の姿や、研究の内容がわかりやすく説明されていますので、中高生向けの広報媒体として、効果的だと思います。


ただ、「学術情報リポジトリ」なんてリンクは、受験生はもちろん、高校2年生以下の人もまずクリックしないでしょう。
マイスターも、京都大学に問い合わせをして教えていただくまで、自力では見つけられずにいました。
マンガが良くできているだけに、とてももったいないことです。

■京都大学と京都精華大学との連携協力に関する基本協定書の締結及びマンガ完成披露(2008年9月17日)

↑こちらにニュースリリースはあるのですが、やはりマンガ本編へのリンクはありません。

冒頭でご紹介した新聞による取材記事は、いずれも9月18日頃のもの。
このときには、マンガを目当てに京大のwebサイトにアクセスした人がいたんじゃないかなぁと思います。
冒頭の記事には、

披露された漫画冊子は近畿の中学、高校などに1万部配布され、尾池和夫・京大総長は「漫画という新たな手段で、研究成果を正しく理解できる層を広げたい」と期待している。

とありますが、このままでは、近畿の中学、高校に配布された1万部から、拡がらないかもしれません。
せっかくですから、京都大学のトップページに、マンガへのリンクを直接張られてみるといいのでは思います。


大学の情報を探していると、しばしば、こうした「もったいない!」と思う例に遭遇します。
この京大の例に限らず、大学という組織はときにとてもユニークな取り組みを実施しますが、「実施した」ということで満足してしまっていることがありはしないでしょうか。

派手な取り組みだけでなく、こういったところにも気を配れる人材がいないと、せっかくの取り組みが効果を発揮しません。そういった、日常業務レベルの細かなこだわりが、受験生をはじめ、社会の注目を集めるためには大事なのではないかと、個人的には思ったりもするのです。

以上、マイスターでした。

著者紹介

【倉部史記(マイスター)】

大学院修了後、Webプロデューサー、大学職員を経て現在、早稲田塾SOHKEN(総合研究所)・主任研究員。

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