犯罪加害者と被害者が対話する「修復的司法」を
法制化するファシリテーターに

第46期生

狩集 音和(かりあつまりとわ)さん

通塾情報

出身校 吉祥寺校
出身高校 法政大学高
部活 硬式テニス部
夢・目標 日本国内で修復的司法の法制化に尽力する

進学情報

受験方式 FIT入試
大学 慶應義塾大学
学部 法学部

――[入学の〈きっかけ〉]早い時期から準備をして大学受験でリベンジしたい

私は中学3年の9月頃、早稲田塾に入学しました。同じ学校の先輩が早稲田塾に通っており、総合型選抜の話を聞いたのがきっかけです。中学受験は苦い思い出しかなく、大学受験ではきっちりリベンジしたいと思い、中3という早い時期から準備を始めました。3年かけて早稲田塾の「総合型・学校推薦型選抜特別指導」を受け、瞬発力や文章力を鍛えてきて本当に良かったです。実際に総合型選抜を経験し、人にはない自分だけの魅力を大きく伸ばせる受験方式だと感じました。

――[将来の〈夢〉]修復的司法を実践するファシリテーターを目指して

私の叔父は弁護士、祖父が警察官でした。幼い頃から立場の違う2人が意見を交わす姿を見るうち、自然に刑事司法に興味を持つようになったのだと思います。 さまざまな刑事事件の資料に目を通し、気づいたことがありました。それは、加害者・被害者双方が話す機会を設けられたとき、今の刑事司法制度ではお互いのニーズが満たされないのではないか、ということです。日本は各国から「根強い懲罰主義」などと揶揄されることがありますが、実際に被害者側が望むのは“罰を受けてほしい”というよりは、“謝罪や質問に答えてほしい”ということのようです。 そこから、「修復的司法のモデル論」について探究を深めてきました。修復的司法とは、加害者・被害者同士が対話し、問題を解決する司法のプロセスです。双方のニーズを満たすにはこのプロセスが有効的に見えますが、残念ながら日本では法制化されていません。私は将来、この修復的司法を実践する立場のファシリテーターになりたいと考えています。

――[大学・学部を選んだ〈理由〉]修復的司法を研究する教授のもとで学びたい

慶應義塾大学法学部には、修復的司法について研究し、論文を書かれている教授がいます。出願書類は教授の論文を参考にしましたし、大学でもぜひこの教授のもとで学びたいです。また、修復的司法について深く考察するには、法律面だけではなく倫理・心理面も学ぶ必要があると思っています。その点、副専攻で心理学を学べるので、私にとって魅力的な環境です。

――[タメになった〈授業・カリキュラム〉] 知識の向上、探究テーマの深堀りに役立つものばかり

一番良かったのは「総合型・学校推薦型選抜特別指導」の、答えのない問いに取り組む授業です。5分間という短い時間で考えるので、瞬発力が身につきました。また、時間内に考えた自らの回答に対して責任を持つという自覚が養われたと思います。 さらに論文対策として「慶應義塾小論文」を受講しました。法学部だけでなくSFCや文学部など、慶應義塾大学のさまざまな学部の過去問を解くので、柔軟な知識を養うのに最適な講座だったと思います。優秀な論文は塾生に発表されるので、「自分も頑張ろう」とモチベーションが高まりました。また、新聞の社説を読み、そのまま写す勉強を推奨されるので、時事的なニュースに関心を持つようになって知識の幅が広がりました。 未来発見プログラムは「異文化交流プログラム」を受講しました。立命館アジア太平洋大学の留学生との国際交流がメインの授業です。英語力向上に加え、他国の刑務所社会について話しを聞くことができたのは、自分にとって大きなプラスになりました。

――[早稲田塾で〈学んだこと〉]自分の中で大学進学の理由が明確に

正直、早稲田塾に入るまで「大学は、周りが行くから自分も……」という考えが強かったです。しかし、さまざまな講座を受け、ビジョンを確立し、「大学進学は夢を達成するための“過程”である」と気づきました。気づきを得てからは、大学で学びたいことがよりいっそう、明確になったように思います。 私が探究している修復的司法には4つのモデル論があり、各国で違う形態を用いています。日本で法制化するには4つのモデル論をじっくり検討する必要があり、どのカタチが日本に適合しているのか、私にはまだわかりません。大学で本格的に学ぶ前に、有識者の方にも意見を聞きながら考えを深めたいですね。 特にスポーツや語学に秀でているわけでもない私が、早稲田塾を通して自分にしかできないと思えるものに出会えました。早稲田塾は、自分の中でもっとも恩返しがしたい場所だと思っています。

私の「法政大学高校 自慢」

高校でも探究の時間があり、自分の考えを文章化したり成果を発表したりする機会がありました。その時間も有効に使いながら、自分自身の探究テーマを深められました。

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