きっかけをくれた早稲田塾の環境に感謝
筑波大学で学び、ジャーナリストの道へ
兼平 麻央(かねひら まお)さん
通塾情報
出身校 | 新宿校 |
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出身高校 | 成城学園高校 |
部活 | 吹奏楽部、メディア・アート部 |
夢・目標 | 事件から浮き彫りになった社会問題を分析し、共生社会の在り方を探るジャーナリストに |
進学情報
受験方式 | AC入試 |
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大学 | 筑波大学 |
学部 | 人文文化学群 |
――【入学の〈きっかけ〉】総合型選抜の準備をするならここしかないと感じて入学
高校入学前から「大学受験は一般選抜以外の方法で挑戦しよう」と思っていました。中学卒業を間近に控えた春頃、母から総合型選抜という入試方法があること、総合型選抜に強い早稲田塾があることを教えてもらいました。
初めて耳にする「総合型選抜」という言葉。どのような受験方式なのか詳しく知りたいと思い、早稲田塾に訪れ面談をしました。「どんなことに興味があるの?」と質問をされ、「事件を調べたり、ドキュメンタリー番組を観たりすることが好きなんです」と答えると、「総合型選抜はそういった“好き”なことを探究し、活かして合格につなげていく受験方式だよ」と教えていただきました。受験は知識を詰め込むことが当たり前と思っていたので、総合型選抜の受験方式にびっくりするとともに、自分にも可能性があるのかな、楽しそうだなと素直に感じました。
さらに話を聞いていくと、早稲田塾は他の塾生と対話をしながら学びを深めたり、合格した先輩方が担任助手としてサポートしてくれたりすることが分かり、総合型選抜の準備をするならここしかないと思って、中3の春頃に入学しました。
――【大学・学部を選んだ〈理由〉】せっかくなら国立大学へ!スタッフのひと言で心が動いた
私は「事件」について興味はありましたが、それを探究テーマに昇華させる方法がわからず悩んでいました。率直にどうすればいいかとスタッフに相談すると、「じゃあ一番興味のある事件について調べて、行動してみたらどうかな?」とのアドバイスが。自分の興味を棚卸ししていく中で、2016年に起きたある事件のことをもっと知りたいと思うようになりました。事件についての講演会に参加したり、事件現場に足を運んだり、本や論文を読んだりして理解を深めると、事件の動機は「優生思想」に起因することが判明。能力で人を分ける思想が潜在する現代において、自分にできることは何か、共生社会を創るためにはどう行動を起こせばいいか。こうした社会問題を探究したいと考え、「内なる現代優生思想と共生社会への歩み」というテーマに決めました。 またこのテーマを深めていく中で、取材内容を記事にして発信されているフリージャーナリストの方との出会いがありました。ご遺族や関係者に対し、親身になって取材をされる姿勢がとても印象的で、これがジャーナリストなんだなと深く感銘を受けました。もともとメディアや報道に興味があったので、自分の伝えたいことを自分の言葉で発信する姿にあこがれを抱き、ジャーナリストの道を決意しました。 探究テーマを深めつつ、ジャーナリストという夢を叶えるためには、「哲学」と「メディア」を学べる大学が理想でした。条件に合う大学・学部を調べていくと、筑波大学の人文・文化学群 比較文化学類がヒット。学部横断的な学びを重視していること、比較文化学類では哲学とメディアのどちらも専攻できることなどに魅力を感じ、「ここしかない!」と。はじめは「国立大学なんて……」と消極的で、出願戦略は私立大学2校でしたが、スタッフの後押しもあり「せっかくなら!」と国立大学に挑戦。結果的に筑波大学に合格をいただけました。探究テーマを決める際にも、進路を決める際にも、スタッフの言葉を信じ、一歩踏み出して本当に良かったと感じています。
――【タメになった〈授業・カリキュラム〉】思考力と発信力が養われた実践的な授業
未来発見プログラムの「竹中平蔵 世界塾」に参加しました。これは、国際的に活躍されている竹中教授に直接講義をしていただき、議論や発表などを通してリーダーとしての資質を養うプログラムです。講義の中で強く印象に残っているのが、竹中教授がいつも仰っていた「My Storyで語ろう」と「川を上れ、海を渡れ」という言葉です。「My Storyで語ろう」とは、ある問題に対し、知識の有無にかかわらず、自分が今まで経験してきたことを踏まえてどう解決していくのかを考えること。「川を上れ、海を渡れ」とは、川を時代、海を世界に見立て、ある問題が起きたときは川=時代を遡って過去の事例に学び、海=世界を見渡して今どのようなことが起こっているのかを探るというマインドセットです。これらの考え方は、探究テーマを深めるうえでも、面接の回答を組み立てるうえでも、とても役に立ちました。
――【早稲田塾での〈生活〉】自信をつけてくれた居心地の良い早稲田塾の環境
早稲田塾に通って良かった点は、全く否定をされなかったことです。学校で進路の相談をすると「一般受験も考えてみたら?」「志望校のレベルを少し下げた方がいいんじゃない?」と言われることがあるかもしれませんが、早稲田塾ではそういったことは一切ありません。むしろ、「その探究テーマならこんなプログラムを受けてみたら?」「この大学なら探究テーマを深められるよ!」など、どんどん目標を高くして、自信をつけてくれる塾だったなと思います。 また塾生同士の交流も力になりました。私自身、毎日のニュースを見ていろいろと思うところがあっても、学校の友達と話す際には、“硬い話”を話題にすることは難しかった。でも早稲田塾に来ればいつでも議論ができるので、自分の考えを自分の中だけに留めず、言葉にでき、それに対する相手の意見ももらうことができました。こうした環境は、日常的に情報のアンテナを張っている人が多い早稲田塾ならではだと思います。議論の中でもらったヒントをもとにして探究テーマを大学受験にもつなげられたので、きっかけをくれた早稲田塾は人生においても大きな存在です。やはり受験というとライバルを蹴落とすイメージが強かったのですが、早稲田塾はみんなで協力してみんなで受かるという雰囲気があったので、とても居心地が良かったです。もしこれが一般受験だったら、負けず嫌いが先行して塾生に対し敵意を向けていたなと思います(笑)。
――【将来の〈夢〉】社会問題を分析し、再発防止に努めるジャーナリストに
将来は、事件から浮き彫りになった社会問題を分析して、再発防止に努めるジャーナリストになりたいです。世の中の事件には必ず動機となった社会問題があるはずです。ジャーナリストとは、発生した事件を記事や動画、音声に記録し、未来に残そうと冷静に判断できる人。そして、社会問題を分析し、解決の糸口を見出す最初のステップを踏む人だと考えます。こうした事件に正面から向き合い、問題意識を持ち、再発を防止できる方法を模索し続けられる人になりたいです。そのために、まずは大学で探究テーマの優生思想について、どうしてその思想が生まれてしまったのか、その背景には何があるのかを学びたいです。そして筑波大学の学部横断的な学びを活かし、メディアや社会学も並行して勉強したいと考えています。