自分のルーツを見つめ直して見つけたテーマ。「違い」が価値を持つ社会を作りたい

第42期生

徳丸 沙羅さん(とくまる さら)

通塾情報

出身校 藤沢校
出身高校 神奈川県立大船高校
部活 バレーボール部
タイプ 留学経験を活かす
夢・目標 多文化共生を実現する

進学情報

受験方式 総合型選抜(AO入試)
大学 横浜市立大学
学部 国際教養学部

――【私の〈ハイスクールライフ〉】コスタリカ留学で自分はマイノリティだと気づいた

高校生になって突然「留学したい!」という思いが湧いてきて、1年間コスタリカに留学しました。ほとんどの学生は英語圏に留学しますが、「せっかくだから、他の人が行かない国を選ぼう」と。何も知らないスペイン語について、一から学んでみたいという思いもありました。

留学先の現地校で日本の食文化についてプレゼンテーションする機会があり、そこで日本の鯨食文化について強い反発を受けたんです。とてもショックでした。でも、だからと言ってそこで終わってしまうのではなく、鯨食の正しい知識や文化的背景を調べ、日本の仏教的思想ではどんな動物でも命の大きさは等しいこと、一つの命でたくさんの人に食料を与えられる大きな鯨を食べる選択をしている、ということを伝えました。その結果、ある程度の理解はしてもらえました。この出来事から、異文化共生について考えるように。マイノリティだから、受け入れてもらえないからといって被害者意識を持つのではなく、理解をしてもらうためには情報発信が必要。交流を通して、文化の違いを受け入れられる社会を作りたい、という思いを抱きました。

――【早稲田塾での〈生活〉】行動力ある塾生たちに触発された

高2の1月に帰国し、同じく留学経験がありAO受験をした先輩からのすすめで、早稲田塾に入りました。すぐにオンライン授業になってしまったので親しい友人が出来ず残念でしたが、オンラインならではのメリットもたくさんありました。

一番大きなメリットは、校舎に関係なく様々な視点を持つ生徒と意見を交換できたこと。早稲田塾生はみんなキラキラしていて行動力があり、触発されました。お互いの志望理由書を読んで意見を交わすとき、当初私は「こんなことを言ったら、相手が不快に思うのでは」と考えてしまい、自分の意見を言えずにいました。でもみんなは、ほとんど初めて会った私のために、知識を出し惜しみすることなく真剣に意見をくれる。だから私も、「自分の知識が役に立つなら、どんどん提供していこう」と思うようになれました。早稲田塾では「人のために行動できる人が合格する」と言われますが、本当にその通りだと思います。

オンライン授業中心で校舎にはあまり通いませんでしたが、講師や塾生との関わり、また大学生の担任助手のサポートなどで、「私は早稲田塾生だ!」という帰属意識を強く持てたと思います。早稲田塾は、大学入試のためだけではなく、これから自分がどういう人間になれるのか、将来の自分につながることを学べる塾です。早稲田塾で得た知識や行動力は、これからの人生でも絶対に活きると思います!

――【私を支えてくれた〈スタッフ〉】気にかけてくれた担任助手に感謝

実は早稲田塾に入った頃は、テーマや志望大学が明確ではありませんでした。留学経験を生かしてスペイン語系の学部を考えてみたり、なんとなく有名大学を挙げてみたり。でも、なんだかシックリこない。オンライン期間中は担任助手がしょっちゅう電話をくれたので、その悩みを相談していました。そうして話をするうちに、自分のルーツを見直すことができました。

私の父はイラン人です。小学生のとき、イスラム国に日本人ジャーナリストが拉致されるという事件がありました。私は「悲しい、つらいニュースだな」と思っていたのですが、ある同級生が私を「テロリスト」と言ったのです。ビックリして悲しくなったのと同時に、「私はみんなと同じだと思っていたけれど、相手から見ると自分は“違う側”なんだ」ということに気づいたのです。マイノリティである自分と改めて向き合い、また留学先で考えた異文化理解のことと繋げて深めていくうちに「横浜市でムスリムとの共生を実現する」というテーマが固まりました。ずっと相談に乗ってくれていた担任助手は「あなたらしいテーマになったね」と言ってくれて、ホッとしました。

――【将来の〈夢〉】多文化共生を実現する

私の地元横浜は外国人が多く住み、多文化共生に力を入れています。横浜市立大学には多文化共生ゼミとイスラム地域のゼミの両方があり、また都市学など地域コミュニティのあり方についても学べます。大学では自分が興味を持ったことに積極的に取り組み、それを自分だけではなく周囲の人も巻き込みながら深めていきたい。お互いに影響を与え合いながら、成長していきたいです。

そして、いずれは「違うこと」に価値がある社会を作っていきたいです。

私の「神奈川県立大船高校自慢」

とても落ち着いた校風です。その中でも、地域活性などに取り組んでいる生徒などもおり、刺激を受けました。例年なら、夏休み返上で体育祭のダンス練習などを行ってとても盛り上がるのですが、残念ながら今年はできませんでした。

私の「横浜市立大学 国際教養学部 現役合格アイテム」

プレゼンテーションの資料

早稲田塾には過去の先輩方の資料が残っているので、それも参考にさせていただきました。でも最初に作ったのはダメダメで…。みんなが細かくチェックしてくれて(笑)頑張って作り直しました。合格した後でもたまに見返しては、思いを新たにしています。

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