SFCで学び、音楽の力を吃音改善に
活かす独自のメソッドを確立したい
喜多 龍之祐(きたりゅうのすけ)くん
通塾情報
出身校 | 自由が丘校 |
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出身高校 | 県立神奈川総合高校 |
部活 | 軽音楽部、吹奏楽部 |
夢・目標 | 音楽を活用した吃音のリハビリテーション方法を確立する |
進学情報
受験方式 | 夏秋AO |
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大学 | 慶應義塾大学 |
学部 | 環境情報学部 |
――【入学の〈きっかけ〉】吃音をきっかけにした経験を受験に活かしたい
私は、言葉がスムーズに出てこない「吃音」という発話障害を小3から患っています。現在は普通に会話できるまでに改善しましたが、中学のときは、友達との会話もままならないほど症状が出ることがあり、辛い思いをしました。 症状の改善のためにさまざまな治療法を試した中で、最も効果があったのが「歌唱」でした。吃音は、普段の会話では言葉が上手く出ないのですが、リズムに乗って歌をうたっているときには、症状が抑えられるという不思議な特徴があります。 私自身、歌唱しているときは“吃音のない自分に会えている”気がして、とても心地良かった! この感動を語りたいと思い、吃音をもつ方々との交流イベントに参加。同年代の人と話してみると、同じように音楽を奏でているときは症状が出にくい人がいることを知りました。 そこで、「みんなで音楽団を作ってみたら面白いんじゃない?」と提案すると、満場一致で賛成。吃音をもつ若者による音楽団「コンアニマ」を結成しました。初めて主催したコンサートには、100名を超える方にお越しいただき、新聞やニュース番組にも取り上げてもらえ、いろいろな方に吃音の存在を知ってもらうことができました。 「せっかくならこの経験を大学受験に活かしたい」と思い、総合型選抜に挑戦することを決意しました。総合型選抜に力を入れている塾を探していると、自分が進学したいSFCの合格実績が豊富な早稲田塾を発見。「ここなら音楽団を立ち上げた経験の活かし方を学べそうだな」と思って、高2の8月に入学しました。
――【大学・学部を選んだ〈理由〉】探究テーマを深められる環境はSFCしかない!
慶應義塾大学環境情報学部には、音楽・脳神経・身体の関連を研究する「音楽神経科学研究室」があり、「自分の探究テーマを深めるにはここしかない!」と思って進学を決意しました。もともとSFCに憧れがあったので、自分のやりたいことと行きたい大学が合致して良かったです。
――【刺激的だった〈未来発見プログラム〉】ギャップを埋めることができた最先端科学プログラム
未来発見プログラムの「最先端科学プログラム」がとても印象に残っています。SFCの環境情報学部で教鞭をとられている教授から指導を受けられるこのプログラムでは、生命科学研究の現状や原著論文の読み方などを学ぶことができます。 僕が深めている「吃音と音楽の関係性」という探究テーマは、心理的な要因が大きくなりがちで、「なぜ音楽が吃音の改善に有効なのか」を数値化することが難しいです。しかし、志望する環境情報学部は、物事を数値で捉えることに重きを置いているため、 「自分がやっていること」と「大学が学生に求めていること」のギャップに苦心していました。 そうした中、このプログラムを通じて原著論文の読み方や調べ方、活用方法などを学ぶことで、定性的なものを定量化していく術がわかり、自分の探究テーマを数値で捉えることができるようになりました。書類作成にも活かすことができて、「やりたいこと」と「大学に求められていること」のギャップが徐々に埋まっていく感覚を今でもハッキリと覚えています。自分が志望する学部の教授から直接ヒントをもらえる機会は滅多にないと思うので、このプログラムを受けて本当に良かったと思っています。
――【早稲田塾での〈生活〉】現役大学生からのアドバイスで前に進めた
志望する大学に通う担任助手に相談できる環境がとてもよかったです。探究テーマを深めていると、「これでいいのかな」と行き詰まることがあったのですが、現役のSFC生からアドバイスをもらって改善することで道筋が明確になり、自信を持って書類作成や面接に臨むことができました。本番直前で不安な時にも親身になって話を聞いてくださり、温かさに包まれながら受験生活を送れました。早稲田塾の環境に感謝です。
――【将来の〈夢〉】音楽を活用した吃音のリハビリテーション方法を確立
将来は、理学療法士の資格をとり、音楽を活用した吃音のリハビリテーション方法を確立したいと考えています。吃音の治療方法には、緊張している筋肉をほぐしたり、出づらい言葉を別の言葉に言い換えたりする練習などがあります。どれも効果的ではあるのですが、長期的に自分の症状と向き合わなくてはならないため、僕も含め、辛いと感じて続かない人が多い傾向にあります。そこで、音楽を活用することで、ストレスなく少しずつでも治療ができたら面白いのではないかと思いました。 大学に入学したら、音楽神経科学研究室で探究テーマを深め、具体的な方法を考えていきたいです。ゆくゆくは、吃音で悩む方々の一助となる“喜多メソッド”を医療の現場に広めていきます!