好きなことを突き詰めるために農工大へ。
触覚を使ったデバイスで障がい者支援に注力したい

第43期生

磯本 惣太郎(いそもと そうたろう)くん

通塾情報

出身校 町田校
出身高校 工学院大学附属高校
部活 デジタルクリエイター育成部
夢・目標 障がい者支援や支援機器の開発に携わる

進学情報

受験方式 SAIL入試
大学 東京農工大学
学部 工学部

――【早稲田塾入学の〈きっかけ〉】情報収集のために早稲田塾へ

小4のときからロボットやプログラミングの教室に通っていて、ずっとものづくりに興味がありました。好きが高じて、小5から高1までFLL(FIRST® LEGO® League)というロボットコンテストにチームで出場した経験もあります。

大学でも好きなことを学び続けたいと思っていた高1のあるとき、東京農工大学の方が大学紹介のような形で高校に講義に来てくれたんです。話を聞く中で、SAIL入試という方式があることを知り、自分のFLL出場経験やコンテストでのプレゼン能力を活かせるのでは?と。

インターネットで早稲田塾町田校から東京農工大学のSAIL入試で受かった人がいることを知ったので、情報収集をしたいという気持ちで入学。それが高3の5月でした。

――【刺激的だった〈未来発見プログラム〉】異なる研究分野の集合知に感化された

「サイバーフィジカルテクノロジー」という未来発見プログラムに参加しました。このプログラムでは、AIやVR関連の最先端技術について学び、その中で得た知見をもとに社会問題の解決のためには何ができるのかをグループで考え、一つのアイデアをプレゼンします。

グループのメンバーはそれぞれ研究分野が違うので、プレゼンの準備を進める中で「こういう技術があるんだよ」「先行研究にはこんなものがあるよ」など、幅広い知識を学べたことが刺激になりました。生物に詳しい人がいて、動物の嗅覚や虫の触角などのメカニズムを落とし込んだセンサーがあるという話を聞いた時は、自分の研究分野である「盲ろう者」の支援機器に応用できそうだなと思いました。

これまで、ロボットづくりをはじめとする工学系の分野に携わってきたので、「未来発見プログラム」でも好きなことを深く勉強できてとてもいい経験になりました。また、いろいろな人との関わりの中で自分の武器が明確になり、それに磨きをかけられたことが一番の力になりました。

――【私を支えてくれた〈スタッフ〉】当たり前が“強み”だと気付けた一言

自分自身、幼いころからものづくりに触れてきたので、できることが当たり前になっていました。ですが、ある時に「君の一番の強みはすでに“エンジニア”で、ものづくりをしているところだよ」と言われたんです。自分の中では当たり前になっていることが強みだと気付けたのは良かったなと思います。

また、一般選抜で農工大に進学した担任助手に、口頭試問の練習に付き合ってもらったり、予想問題を作成してもらえたりしたことが心強かった。実際、試験のときに予想問題とほとんど同じ問題が出てきたときは「さすが現役生…」と思いましたね(笑)。

――【早稲田塾での〈生活〉】好きなことを好きなだけできる安心感があった

学校の本分は勉強なので、総合型選抜受験で好きなことをやってると「そんなことより勉強しよう」という声が聞こえてくるんですけど、早稲田塾はむしろそういうことをやっている仲間しかいなかったので、精神的な支えになりました。また、早稲田塾では自分のアイデアが固まっていくだけでなく、他の人の考えを聞いたり、熱く議論できるのが楽しかったですね。突き詰めたいことがより鮮明になったと思います。

――【将来の〈夢〉】最新技術を使って、障がい者支援に貢献したい

僕は小4から眼鏡をかけ始めたんですが、このままどんどん見えなくなってしまうんじゃないかと不安に駆られ、怖くなってしまったんです。そんな僕の姿をみた両親が、近所の視覚障がい者の訓練施設に連れて行ってくれました。そこでアイシェードという目隠しをしながら卓球をする姿を見て、「なんで見えないのにラリーが続けられるんだろう」と、すごく感動したんです。そのとき、自分も新しい技術を生み出せば視覚障害者の人に何か貢献できるんじゃないかと、小学生ながらに思いました。

それから、眼鏡に代わるものを作りたいという気持ちが強くなり、高校生の時に触覚を使ったナビゲーションデバイスを作りました。今はまだ目的地までの道案内だけで障害物の検知ができないので、農工大でそうした技術を勉強していきたいと考えています。

将来的にはこうした技術を突き詰めて、障がい者支援や支援機器の開発をやっていきたいと考えています。支援機器は、先天性や後天性、障がいの重度などによってニーズが多岐にわたるので、ほとんどがオーダーメイドで高額化してしまうんです。しかし、3Dプリンターを使えば、自由にパーツの形を変えられるので、パーソナライズ化したものが安価でできます。

農工大は起業支援が手厚いので、こうした技術を応用して、触覚を使った盲ろう者への支援ができるデバイスの研究開発を進め、自分の手で普及させていきたいです。

私の「工学院大学附属高校自慢」

最新技術が身近に触れられます。僕は高校に入るまで3Dプリンターに触れたことがなく、縁遠い存在の技術だと思っていました。ですが、高校の図書館に3Dプリンターなどを自由に使えるスペースがあり、教えてもらうこともできて自分のアイデアを形にするという力が養われました。

私の「東京農工大学 工学部 現役合格アイテム」

ナビゲーションデバイス(3Dプリンターで作ったデバイス)

3Dプリンターとマイクロコンピュータでパーツを構成し、底面に3つの触覚センサーを取り付けて、曲がる時は順番に振動して方向を示すというデバイスです。SAIL入試の面接の際にも見せ、工夫した点などを話し、盛り上がりました。今は手で持って使うことしかできませんが、ゆくゆくはウェアラブルデバイスにして気軽に使えるようにしていきたいです。

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