ワセダネ 早稲田塾からのホットな情報を発信するブログ

町田校レポート

担任助手による新書紹介②


みなさんこんにちは!担任助手の岡遼太郎(上智大学文学部史学科一年生)です。
今回も日本史に関する新書をご紹介いたします。

今回紹介する新書は、
網野善彦『日本の歴史をよみなおす(全)』(ちくま学芸文庫、2005年)です!

この本の内容はかなり濃いです。日本中世が好きな人には、バレンタインチョコよりこの本をあげた方が喜ぶでしょう。
そんな冗談はさておき、網野善彦さんといえば日本中世史のパイオニア的存在です。スーパースターと言っても過言ではありません。その網野さんが書いたこの本は、日本中世の概要を理解することができます。農民にスポットを当てていますが、女性、農業社会の形成、天皇、悪党などの話に分かれています。農民中心だと言われていた日本の中世は、実際はどのような世界だったのか、当時の生活を詳しく分析しています。
なぜ日本が農業中心社会というイメージが作られたのでしょうか。

 農耕民族とよく言われる日本人ですが、言ってみれば中世がそうした日本のイメージを作り上げたのかもしれません。当時、階級や経済、権力、女性の地位など、日本中世について子と細やかに解説されています。どのような環境で過ごしてきたのか、日本国民として知っておいた方がよい情報もてんこ盛りとなっています。政治史(政治政策など)ばかり語られることの多い日本中世ですが、その教科書のイメージの裏に潜む新たな日本中世の姿を理解することができるでしょう。

 この本の素晴らしいところは、歴史学という学問の研究手法、視点が理解できる点です。歴史を研究する流れ、どのような史料をどのように分析するのかなど、歴史に関わる人、歴史好きの人にはとてもためになる本でしょう。
現在の日本の経済に興味があり、歴史なんて…という人もいるでしょう。ですが、そうした人にもぜひ読んでいただきたいです。現在の日本を理解する為にも、日本の過去の実態を学ぶことも鍵になるのではないでしょうか。

次回は音楽の歴史に関する新書をご紹介します!

現在早稲田塾では無料個別相談を実施しています!申し込みはこちらから

投稿者:岡 遼太郎

校舎一覧

最高の学習環境を君に。

校舎一覧