四谷校レポート
“研究テーマを決めるために”
公開日:2020年09月30日
こんにちは。早稲田塾四谷校担任助手の神崎麗衣(広尾学園高等学校卒、一橋大学社会学部二年)です。
本日は「そもそも研究テーマって何?」「研究テーマはどのように見つければ良いのか?」という疑問を持つ高2・1生、中学生に向けて、私がどのように研究テーマを決めてきたかを含めて、疑問に答えていきたいと思います。
0.「研究テーマ」
研究テーマという言葉を聞きなれていない人もいるかもしれません。研究テーマとは、大学で研究する際にもつテーマというふうに考えてみてください。卒業論文のテーマが好例です。
1.「自分を知ること」
研究テーマを決める際には、まず自分がどのようにして育ったか、自分の生い立ちを振り返り、自分がどんなことに興味・関心を抱くのか、を考えてみると良いでしょう。
自分の育った環境(生まれ育った場所、家族構成、小中学校、高校、習いごと)などは、今の自分を形作っているともいえます。自分自身の過去を 振りかえることで、なぜ今自分が○○に興味を持っているのか、分かることも多くあるでしょう。
ここで、少し私が高校生だったときに、どのように自分自身を知り、考えたかを示していきたいと思います。まず、高校生のときに自分自身を知るためにした代表的ことは、「自分史面談」です。「自分史」とは、自分自身の歴史のことで、まず何歳のときにどんな経験をしたか、を紙に書きます。そして、担任助手とともに、私が書いてきた自分史を見ながら、「どういうことがあったか。」「なぜそのようなことをしたのか。」「そこから学んだことは何か。」などやり取りをします。当時の私は、紙に経験を書き落としたこと、さらに担任助手とやり取りをしたことによって、自分自身を客観視することができました。私は、小学校は地元の小学校、中学校は広尾学園中学校のインターナショナルコースに通っていたことから、その二つの環境のギャップから「多様性を認めない社会」と「多様性を認める社会」に関心を抱いているのではないかと考えるようになりました。
2.「社会・世界を知ること」
自分自身を知ったら、自分自身で完結せずに、社会や世界につなげてみると良いでしょう。
もちろん、自分自身が心から面白いと思うものを「研究テーマ」として設定します。また、学部学科によっては、それが社会・世界にどう役立つか、よりも、自分がどれほどその学問に関心があるかが求められることもあります。
しかし、多くの大学・学部のアドミッション・ポリシー(大学が入学する学生に求める学生像)を読むと、社会問題に関心があることや社会問題を 多角的に捉えようとすること、などが挙げられています。
自分自身のことだけではなく、自分自身の所属する社会で今何が起こっているか、社会や世界に対してどのような問題意識、関心を持っているのかを考えてみると良いでしょう。
先ほど私は、自分史面をした際に、 「多様性を認めない社会」と「多様性を認める社会」に関心を抱いているという気づきを得たと書きました。そこで、多様性を認める社会とはどのような社会なのか、なぜ多様性を認めない社会があるのか、多様性とは何か、といった疑問にそってリサーチを進めました。
3.学問を知ること
自分の興味・関心の先が分かったら、それらはどのように学問的アプローチが可能か調べてみましょう。
先ほどの例に戻って考えてみます。私はリサーチを進めた結果、「なぜ差別が過去から現在にかけてなくならないのか。」という問いが残りました。そこで、この問いはどのようなアプローチができるか調べると、「社会学」に出会いました。また、過去について知るためには歴史を学ぶ必要があり、差別の根拠となる思想、心理も学ぶ必要があるということが分かりました。
また自分の大学・学部・学科が決まっていたら、そこでどのような学びができるか調べてみましょう。
同じ「社会学部」という名前がついた学部でも、大学によって学べるものが異なります。例えば、私が現在通う一橋大学社会学部は、社会学だけではなく、政治学、哲学、倫理学、社会史といった「人文社会科学」の領域を学ぶことができます。学部の名前に捉われずに、学びたいことを軸に志望校を見つけてみてください。
ここまで、3段階に分けて、“研究テーマを決めるためには”というテーマに沿って文章を綴ってきました。この3段階を踏まなければいけないということはありませんし、自分が面白いと思うことを探求するというところから始めてみましょう。
私は大学に入ってからも、自分自身を問い、大学での学びや課外活動を通じて、研究テーマが変化してきています。皆さんも、変化を恐れず、“今”興味のあることへの探求を進めましょう!
早稲田塾生以外でこの記事を見てくださった方に朗報です。
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