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青葉台校レポート

高校生、またその保護者の方へ贈る Withコロナ時代の大学受験論考#4【志望大学学部選び編】


みなさんこんにちは。早稲田塾青葉台校の阿部倫太朗です。 前回に引き続き、コロナ時代の大学受験の論考 第四弾を皆様にお届けします。

現役高校生の大学受験指導を15年間やってきた経験から、価値ある情報を皆さんにお届けすることで、少しでも高校生やその保護者の方の、先行きが見えない不安を解消できればと思います。 

受験生の悩みでもっとも多い進路不安
 大学受験に関する悩みで一番多いのは、やりたいことや、行きたい大学が見つからないというもの。また、保護者の方から今後どの業界やどの学部が伸びますか?と質問されることも多い。今回は、大学受験において永遠の課題とも言える進路選びについて考えてみよう。しかし、今年、来年の学部トレンドは何かを答えることは容易でも、大学進学は卒業後の進路を踏まえて選択することを考えると、最低でも5から10年後を見据える必要がある。それだけの長期スパンで社会がどうなっているかを予測することは難しい。 

適職の定義から考える大学選びのコンパス
 そこで紹介したいのが、「科学的な適職 4021の研究データが導き出す最高の職業の選び方」(鈴木祐 クロスメディア・パブリッシング)という本(https://www.amazon.co.jp/dp/4295403741)である。タイトルの通り、適職に関する幻想を明らかにし、思い込みを排して科学的に適職を見つける具体的なステップを紹介したもので、非常に興味深い内容だった。著者は、職業選択に関する世界中から集めた論文4021本のメタ分析(複数の研究成果の組み合わせから、新たな仮説や結論を生み出す手法)から、適職の定義を「あなたの幸福度が最大化される仕事」と定めている。なるほど稼げるかどうかや、向き不向きではなく幸福度で考えると良いらしい。このことを踏み台に、大学学部選択の最良な方法を考察してみよう。

好きなことを大学で学べばよいは幻想
 では、どのように仕事を選んだら幸福を最大化できるのか。まず筆者は、私たちが職業選択に際して考えがちな「好きなことを仕事にしたら幸せ」というのは幻想であると切り捨てる。思想家として有名な孔子曰く、「やりたいことを仕事にすれば、1秒たりとも仕事をしなくて済む。」しかし、当の本人が本当になりたかったのは政治家だった。実際には時の権力者にことごとく断られ、仕方なく自分の考えを町で説いているうちに、弟子が増えていき思想家になった。このように歴史の偉人達ですら、好きなことを仕事にして大成したわけではないと著者は説く。

「適合派」VS「成長派」
 適職に就くことができた人はどんな人か。自分の好きに仕事を適合させるタイプの人を適合派、与えられた仕事を好きになるように努力するタイプを成長派と分ける。皆さんは、どちらのタイプに属するだろうか。様々な論文のメタ分析から導き出されたのは、適合派は、仕事が長続きしない人が多いということだ。なぜなら、適合派はその仕事に対して過剰な期待を膨らませるために、ポジションが変わったり、想定していなかった一面が見えると、すぐに幻滅してしまうからだ。逆に成長派はトラブルに強く、適応力が高いため、結果として長く勤めて大成する人が多い。進路選びでいうならば、自分に合った大学がないと嘆くより、その大学の良いところを見つける努力が大切と言える。

好きなことだから一生懸命になれるはウソ?
 情熱を持って仕事をすることが大事だが、著者曰く実際は因果の順序が逆なのである。データから分かることは、注いだリソース(お金や時間など)が多いほど、情熱的に仕事に取り組むということだ。つまり、一生懸命取り組んだ結果、その仕事が好きになるのだと。時々、やりたいことが見つからない私はAO・推薦入試受験に向いていないのか、と相談されることがある。長年の経験から言えることは、しっかり時間を掛けて大学と向き合えば、やりたいことが決まらない生徒はいないと断言できるのである。ただ、向き合ってこなかっただけなのだ。

結論
 今、好むと好まざるとに関わらず、まったく想定をしていなかった働き方を余儀なくされている方は多いと思う。想定外を楽しめるマインドセットを持つことで、変化を生き抜くことができる。Withコロナ時代の大学選びは、いかに成長派マインドを持てるかが重要と言える。つまり、やりたいこと、好きなことが見つからない人は、仮にでも志望校を設定して、その大学のことを徹底的に調べ尽くせばよいのだ。掛けたリソース(今、時間はありますよね)の分だけ、想いが熱くなる。このことを、元早稲田大学第12代総長の西原春夫教授は、塾生に向けたメッセージで、以下のように仰いました。「迷ったら立ち止まってはいけない。あらゆる可能性を考え抜いて、8対2なら8を選べば良い。6対4、5対5ならあなたがやりたいことを選べばよい。」結論、どのような社会になっても、力強く立ち直れるレジリエンスを持つことが、どんな大学に進学したか、どんな学問を学んだか以上に重要なのである。

【バックナンバー】
#1「大学情報収集術編」4月16日
https://www.facebook.com/128620780556480/posts/2917460531672477/?d=n

#2「受験校選択編」4月19日
https://www.facebook.com/128620780556480/posts/2918866918198505/?d=n

#3「AO・推薦入試実施延期編」4月21日
https://www.facebook.com/128620780556480/posts/2924928480925682/?d=n

出典:www.zeusbox.com


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投稿者:阿部倫太朗

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