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法政大学
文学部

法政大学 文学部

Give yourself the best chance to get into your dream college.

提出書類により一次選考が行われ、小論文試験(筆記試験)および面接試験により合格者を決定する。入試方式により評定平均が求められる。

※掲載内容は変更されている場合があります。必ず大学のホームページ、入試案内冊子などをご確認ください。

※2023年11月20日更新

文学部 グローバル体験公募推薦入学試験

最新入試情報から合格のポイントまで
総合型・学校推薦型選抜の全てがわかる!

入試の概要

【出願について】
 哲学科・日本文学科・英文学科で実施(史学科・地理学科・心理学科では実施していない点に注意)。
日本国内の高校在学中に留学経験のある者(連続 180 日以上)が出願できる。
専願であり、「合格した場合は入学を確約できる者」とされている。

1.出願時期

10月中旬

2.主な提出書類

志望理由書(自己推薦書) 1600字以内
加えて、哲学科と英文学科では小論文課題もあり。

3.一次選考結果発表

11月上旬

4.二次選考時期

11月下旬

5.二次選考内容

小論文(日本文学科のみ)・面接

6.二次選考結果発表

11月下旬

7.倍率

2021年度 2倍 2020年度 約2.4倍

入試の特徴

【アドミッションポリシー】
 要項には「海外高校への留学体験を有する有能な高校生のため、学力試験だけでは評価できない能力、経験および意欲を評価する入試を実施」すると記されている。180日以上の海外高校への留学経験を有する者が受験をできる入試であるが、アドミッションポリシーは他の入試方法同様、以下のような意欲・能力を有する学生を求めるとホームページにある。
1.高等学校で履修する国語・外国語・地理・歴史・公民・数学・理科等について、卒業が認められる水準で教科内容を理解している。
2.入学後の修学・研究に必要となる基礎的な知識・教養を有している。
3.論理的な思考ができ、自分の考えを明快に表現することができる。
4.志望する学科の専門分野に深い関心をもち、強い学習意欲がある。

 このうち4については、哲学科・日本文学科・英文学科それぞれ、以下のように記述されている。
哲学科:
哲学に深い関心をもち、強い学習意欲がある。
 
日本文学科:
日本の文学・言語・芸能について深い関心をもち、それらの研究や文芸創作に必要となる、知識・読解力・思考力・表現力全般にわたる、より多様でより奥深い人間的な学力・資質を有している。
 
英文学科:
英語への関心、英語文学と英語圏文化への興味をもっている。
外国語教育や言語理論の研究に必要な科学的思考を養う意欲を持っている。

 志望理由書や小論文課題において、自身の「海外体験」を踏まえ学問への関心を説明できるかが問われていると言えよう。志望理由書の執筆に際しては、日本と海外双方の視点を踏まえ、何を学びたいのか、またなぜ法政大学文学部で学びたいのか、説明できるようにしておきたい。文学部の入試である以上、言葉にはこだわりを持ち、明快な言葉で説明できる能力も必須である。

【難易度】
一般入試A方式の倍率約4.2倍~約6.3倍に比べれば、グローバル体験公募推薦特別入試は約2倍であり、非常に低倍率と言える。留学日数を満たしていれば、評定平均値も英語等の資格も不要。留学日数が180日以上あり、哲学や日本文学、英文学への関心を抱く者は、ぜひ受験を考えてみると良い。
第一次選考が約1.3倍、第二次選考は約1.4倍である。どちらか一方が特に重視されるという入試ではないため、バランスよく準備を進めたい。第一次選考では志望理由書と学科によっては小論文課題がある。小論文課題もある学科を受験する場合は、それだけ執筆する文章量も多い。そして第二次選考では面接が必須であり、計画的な書類作成が合格を確実にするために必須と言えよう。

アイディア 合格のツボ

【提出書類】
 「志望理由書(自己推薦書)」は1600字以内で記入する。日本文学科と英文学科は、表題にある「志望理由書(自己推薦書)」以外に特段の指示がない。一方、哲学科の志望理由書には、「これまでの留学経験や哲学への関心を踏まえ、哲学に関わる何を、なぜ学びたいか、なぜ本学の哲学科を志望するのか、あなたの『人物』アピールなどの内容を盛り込んでください」との指示がある。また、全学科共通で「本文の主題に相当する『見出し』」を20字以内でつけよとの指示もある。英文学科と哲学科では志望理由書以外に、小論文も課される。小論文に書く内容と重複しないよう注意しなければならない。以下に学科ごとの書類作成のポイントをまとめるので、参考としてもらいたい。

 

 まず日本文学科の志望理由書は、何を学びたいのか、なぜ学びたいのか、法政大学の日本文学科である必然とは何かを明らかにしていけば良い。「志望理由書(自己推薦書)」とも書かれているため、人物アピールも含めた方がよいと考えるべきである。この入試制度が「海外経験」を重視している点からして、留学に関するアピールをすべきである。ただし、海外留学中に日本の文学や言語、芸能に関する気づきがあった人ばかりではないだろう。留学中での経験を踏まえ、帰国後に日本文学に関する自主研究を行うなどして、その成果をアピールしてみるのも一案だ。これは大学で学びたいこと、研究テーマを設定する際にも有効だ。日本を離れたからこそ見えてくる日本語や日本文学の特徴について、考察してみると良いだろう。
  
 英文学科は「志望理由書(自己推薦書)」に加えて、日本語による小論文1600字以内が課される。小論文のお題は「あなたの海外での経験を将来どのように活かすことができるのか、以下の2つの項目を含めて書きなさい。①海外での特筆すべき体験の内容②法政大学での学びにどのように結びつけるか」である。この小論文に書くべき内容を踏まえると、「志望理由書(自己推薦書)」に海外留学経験を書きすぎるのは考えものである。小論文が「海外での経験」と「将来」への活かし方に重点を置いている以上、「志望理由書(自己推薦書)」には何を学びたいのか、法政大学英文学科である必然は何なのかといった内容を中心に書くべきである。そして自己推薦要素として、「英語への関心、英語文学と英語圏文化への興味」の強さ、さらに「科学的思考を養う意欲」やその素養がある点など、アドミッションポリシーを満たした人物であると証明する内容があると好ましい。大学や学部学科について、アドミッションポリシーや教育・研究内容をよく理解し、執筆に臨みたい。小論文に関しては、「①海外での特筆すべき体験」がどのようなものか、具体化したい。何をもって「特筆すべき」となるかは人によるだろうが、「②大学への学びにどのように結びつけるか」を考えると、英文学科での学びに関する「体験」がなかったか、探すところからスタートするであろう。海外の学校への留学を経験する多くの者が、言語取得に悩んだ経験を持っているであろう。それを語りたくなってしまう気持ちはわかるが、多くの者が似たような境遇を経験しているのではないか、と一度立ち止まってもらいたい。英文学科では「英語圏文化」についても学べる。文化体験などもアピールになると理解し、自分の経験を振り返ってもらいたい。

 

 哲学科も「志望理由書(自己推薦書)」と小論文両方が課される。だが、内容の重複を心配しすぎる必要はない。先にも述べたが、「志望理由書(自己推薦書)」には「これまでの留学経験や哲学への関心を踏まえ、哲学に関わる何を、なぜ学びたいか、なぜ本学の哲学科を志望するのか、あなたの『人物』アピールなどの内容を盛り込んでください」との具体的な指示がある。一方、小論文のテーマは「あなた自身の海外体験をふまえて、異文化理解の難しさについて論じなさい」というものであり、異文化理解の難しさを自己の経験を踏まえて分析するというものである。よって、「志望理由書(自己推薦書)」でも「留学経験や哲学への関心を踏まえ」との指示があるが、メインは「何を、なぜ学びたいか、なぜ本学の哲学科を志望するのか」という点にある。留学経験を志望理由書で書きすぎないよう、注意したい。小論文では海外留学経験における「異文化理解」がどのようなものであったか、考察しなければならない。そもそも「異文化理解」とは何なのか、本や論文なども参照しながら、考えてみてもらいたい。この思考や文献にあたる行為自体が哲学の営みである以上、欠くことができないプロセスと言えよう。そこで導かれた理解を前提に、自己の体験を見直してみると良い。

 

【第二次選考】
 第二次選考は小論文(日本文学科のみ)と面接(全学科)である。日本文学科の小論文は、与えられた4つのテーマから2つを選び、それぞれについて具体例や理由を挙げて、自らの考えを述べると言うものである。2019年度は、ア.古典文学・古典芸能は、21世紀に、どのような存在価値を持つか?イ.文学と、漫画やアニメは、どのような関係性を築いてゆくべきか?ウ.インターネットの普及に伴って、日本語はどのように変化したか?エ.今までにない文芸誌を編集し出版するとしたら、どういう物にするか?という4つのテーマから2つを選んで記述するという問題が出されている。テーマ設定型と呼ばれる問題形式の練習をしておきたい。課題文が存在しないため、文学に関する知識が武器となるだろう。

 

 面接は提出した書類をもとに質問される。また、法政大学文学部は非常に高度かつ専門的な研究を行っているため、大学での学習・研究内容やそれに関連する書籍、論文に関する質問も想定しておきたい。文学を志す者として、高校生のうちから学問に関心を持ち、それを正しく伝えられる訓練を重ねておくと良い。

 

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合格した先輩の例

 英文学科に合格した先輩の例を紹介しよう。10か月間の留学経験を全面的に評価してくれる入試であると確信し、出願を決意。言語学を専門としている教授が豊富な点も、魅力であったと言う。大学研究と自己分析を進め、書類作成や面接の練習に臨んでいる。大学とのマッチングを追求したからこそ、合格を手にできたと言えるだろう。

文学部地理学科 自己推薦入学試験

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入試の概要

1.主な出願資格

全体の評定平均4.0以上かつ「地理A」「地理B」「地学基礎」「地学」のいずれかの評定平均値が4.5以上

2.出願時期

10月上旬

3.主な提出書類

志望理由書(1600文字)

4.1次選考(書類審査)合格発表

11月上旬

5.2次選考時期

11月下旬

6.選考内容

筆記試験「地理」(90分)及び面接

7.2次合格発表

11月下旬

8.倍率

2022年度 約1.4倍 2021年度 約1.6倍 2020年度 約1.9倍

入試の特徴

【アドミッションポリシー】
 ホームページではアドミッションポリシーについて、「高等学校で履修する国語、外国語、地理、歴史、公民、数学、理科等について、卒業が認められる水準で教科内容を理解している」「入学後の修学・研究に必要とされる基礎的な知識・教養を有している」「論理的な思考ができ、自分の考えを明快に表現することができる」「地理学科の専門分野に深い関心をもち、強い学習意欲がある」の4点も挙げられている。自己推薦特別入試の出願資格や選考方法を照らし合わせてみると、高校の学習内容への理解が全体の評定平均値で、入学後の修学・研究に必要な知識が地理や地学に関する評定平均値や二次選考の学科試験で、さらに論理的な思考や学習意欲が志望理由書や面接などで評価されると理解できるであろう。

 

【難易度】
 自己推薦入試の倍率は約1.6倍である。一般入試A方式の倍率が約4.4倍(2021年度)と比較すれば、低倍率と言えるが、出願に必要とされる評定平均は、全体で4.0以上かつ、地理や地学系科目に至っては4.5以上と、それなりにハードルは高い。要求される評定平均の基準値が比較的高いので、早い段階から、学校の定期試験対策を行っておくことが肝心と言える。

 第1次選考の倍率よりも、第2次選考の倍率の方が高い。合否を分けるのは地理Bの学科試験と言えよう。論述や作図も求める問題は、決して容易なものではないが、地理好きの人には楽しみながら解ける問題であろう。

 法政大学の地理学科は日本で数少ない「地理学」を専門的に学べる場所である。地理が大好きで、出願資格を満たし、さらに楽しみながら地理の学科試験対策ができる人にとってはおすすめの入試である。

アイディア 合格のツボ

【提出書類】
 主な提出書類は「志望理由書(自己推薦書)」である。①「地理学に関心を持つようになった理由」と②「地理学を学んで、それを将来どのように生かすか」の2点を含め、1600字以内で記述する。

 地理大好きな人間を求める入試である以上、志望理由書では地理学に対する自分の興味関心を、存分にアピールしたい。オーソドックスな書き方としては、①「地理学に関心を抱いた理由」を満たす際に、それと絡めて、自己アピールに触れる、という方法があるだろう。そして、そうした自己の背景から、②「地理学を学んで、それを将来どのように生かすか」という文脈につなげるのが一般的だ。

 書類執筆に際しては、大学で学べる地理学についてもよく理解をしておきたい。法政大学の地理学科で学べる専門領域は、大きく、下記の3つに分けられる。
Ⅰ.文化・歴史系(文化地理学、歴史地理学、観光地理学など)。
Ⅱ.社会・経済系(社会地理学、経済地理学、都市地理学など)。
Ⅲ.自然・環境系(地形学、気候学、水文学など)。
前者二つ(Ⅰ・Ⅱ)は文系寄り、後者(Ⅲ)は理系的な色彩が強い。しかも、現地でのフィールドワークを通じた地域調査を行う、現地研究という実習科目の充実もこの学科の魅力である。
 これらを踏まえ、自己アピールの内容も検討できると良い。単に地理や地学系の科目が好きと言うのではなく、足を使い、積極的に「地理学」について調べた経験などをアピールしたい。
 将来像については、先に挙げた専門領域を大学時代に深く理解した「その先」を検討したい。職業に関するリサーチを行い、社会と地理学の関係性を踏まえた将来像の提示ができると良いだろう。

 

【第2次選考】
 地理Bの学科試験と面接が課される。地理の学科試験は試験時間(90分)に比して問題数が多い。また作図や論述が求められる問題も含んでいるため、過去に出題された問題を参考に、勉強しておきたい。
 歴史的な経緯や文化や産業に関する説明を求める応用的な問題も出題されているため、背景知識を多く持っていればいる程、有利になるのは間違いない。地理・地学はもちろん、歴史系の科目もよく理解しておこう。

 面接試験では志望理由に加えて、将来の希望や地理に関する興味関心について質問される。ただ学びたいことを述べるのではなく、法政大学の地理学科である必然を訴えられるように準備しておきたい。法政大学の文学部は、専門性の高い研究をしている。教員の研究テーマを調べたり、授業内容をシラバスで理解しておいたりと言った丁寧な準備が、功を奏するであろう。
 なお、面接では学科試験に関する感想なども問われている。専門の教授が解説をしてくれ、楽しく和やかな面接であったという報告もある。地理好きを求める入試であり、それを採点・評価する側ももちろん地理好きである。よって、面接では共通の話題が豊富にあるはずだ。
 気を付けるとすれば、学びたいという意欲が伝わるかどうかである。知りたいという欲求があるからこそ、自ら文献を読んだり、フィールドワークを行ったりした経験を有する者も多いだろう。素晴らしい経験をしているのは間違いないのだが、自分でも研究ができているのだから、大学に入らずともよいではないか、と思われる可能性もある。何を知りたいのか、大学という場でなければ理想の学びができないと考える理由は何か、謙虚に説明できるようにしておきたい。間違っても、自分の知識や経験をひけらかすような応答をしないように気を付けたい。

 

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合格した先輩の例

地理学科に自己推薦入試で合格した先輩の例を紹介しよう。小学校時代に地図帳を眺めるのが好きで、そこから地理に興味を持つようになったと言う。ボーイスカウトの活動で、地図とコンパスを用いてハイキングをしたり、実際の風景と地図を照らし合わせたりする経験から、地理への関心が深まっていったという。

 経験に基づいて地理学への愛を自己アピールとして述べ、過去の経験から将来像まで一貫したストーリーを説明できるように準備している。先輩は大学で都市地理学を学び、将来都市の産業発展に貢献したいという目標を持っていた。この目標達成のためにはフィールドワークを熱心に行っており、かつゼミナールでの活発な議論ができる地理学科での学びが必要だと志望理由書でも面接でも訴えている。

 もともと地理は得意科目であったということだが、知識を活用した論述は練習が必要であったと言う。単語を知っているといったレベルではなく、自分の言葉で説明できるレベルにまで高める学習法が、合格を引き寄せたのであろう。

 経験も盛り込みながら地理が大好きであると証明し、それを学科試験や面接でも伝えきれたからこそ、合格を手にできたのだ。

文学部日本文学科 自己推薦入学試験

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入試の概要

1.主な出願資格
全体の評定平均3.8以上

2.出願時期

10月上旬

3.主な提出書類
志望理由書(1600文字)

4.1次選考(書類審査)合格発表

11月上旬

5.2次選考時期

11月下旬

6.選考内容

筆記試験(国語) 面接

7.2次合格発表

11月下旬

8.倍率
2022年度 約2.8倍 2021年度 約2.3倍 2020年度 約2.8倍

入試の特徴

【アドミッションポリシー】
 入試要項には「日本の文学・言語・芸能に関心を持ち、文学部日本文学科で学ぶことを希望する」人を広く募集すると記載されている。「文学・言語・芸能」に関心を持ち、出願資格を満たしていれば誰もが受験できる入試である。入試は2段階で行われる。提出書類による第1次選考と、国語の筆記試験及び面接による第2次選考である。第1次選考で提出する「志望理由書(自己推薦書)」には、「これまでの読書体験」についての記述も求めている。この提出書類の指示も踏まえてアドミッションポリシーを解釈すれば、「日本の文学・言語・芸能」に関心があり、その関心に基づく多くの経験、特に書物に触れる経験をしてきた学生を求めている入試であると言えよう。法政大学の文学部は専門的かつ高度な文学研究を行っている。漠然と国語という教科が好きだが、自ら本を読みはしない、というレベルでは、アドミッションポリシーを満たしているとは言えないだろう。
 「志望理由書(自己推薦書)」では「日本の文学・言語・芸能にかかわる、何を学びたいのか」、さらに法政大学の日本文学科である理由についても記述しなければならない。文学に関する学びがどのようなものなのかを理解し、大学時代に「何を」「どのように」学びたいのか、ヴィジョンも求められているのだ。ホームページにあるアドミッションポリシーの説明でも、「研究や文芸創作に必要となる、知識・読解力・思考力・表現力全般にわたる、より多様でより奥深い人間的な学力・資質を有している」者との記述がある。文学等の「研究や文芸創作」がいかなるものか、理解しつつ準備を進めたい。

 

【難易度】
 一般入試A方式の倍率約3.7倍に比べれば、自己推薦入試の倍率は約2.3倍で低倍率と言えるが、国語の筆記試験のレベルは決してやさしくない。一般入試レベルと捉えると良いだろう。2月初旬から中旬に行われる一般入試A方式より3か月ほど前までに、一般入試合格レベルに達していなければならいのである。また、1科目受験であるため、一つのミスが致命傷になる可能性もある。
しかも、第2次選考のみで合否が決まるといっても過言ではない。形式上第1次選考と第2次選考があるが、2021年度も2020年度も第1次選考は全員が通過している。よって、国語の筆記試験が大きなウェイトを占めているのは間違いない。書類等の執筆をしながら、国語の試験対策もしておくべき。
 かといって、提出書類を甘く見ると痛い目に合う。第2次選考において、出願書類をもとに面接される可能性があるからだ。文学部、しかも日本文学科に出願する以上、表現にまでこだわりをもって執筆したい。
 出願に際して評定平均値を求めているのは、計画的な学習姿勢を備えているか判断するためと言えよう。出願準備や試験対策においても、計画性をもって取り組めば、合格を手にできるであろう。

アイディア 合格のツボ

【提出書類】
 主な提出書類は「志望理由書(自己推薦書)」1600字以内である。①「これまで、どのような読書経験を積んで来たか」②「日本の文学・言語・芸能にかかわる、何を学びたいのか」③「なぜ本学の日本文学科を志望するのか」の3点を含めて記述せよとの指示がある。なお、順序は問わないとある。
 いかに「日本の文学・言語・芸能」への関心を持つようになったのか、きっかけを明らかにしたうえで、大学で具体的に何を学びたいのか、また法政大学の日本文学科である必然はどのようなものか、明らかにしていけば良い。提出書類の表題が「志望理由書(自己推薦書)」とあるので、きっかけに関する部分は自己推薦の要素を含んでいるべきだ。アドミッションポリシーをよく理解し、自身が求める人物像と合致していないか、探る所からスタートしたい。
 大学で学びたいテーマについては、学科で学べる内容をよく理解してから書きたい。この学科の特徴は、オーソドックスな文学研究から文芸創作まで、幅広く学べる点にあるといえる。日本文学の研究には、「古代」「中世」「近世」「近・現代」がある。また日本語学の研究には、「古典語」「現代語研究」がある。さらに「文芸創作」の分野には作品を実践的に学べるゼミまで存在するのだ。これまでの「読書経験」も問われているので、教員が執筆した本などにも目を通し、大学で自身が深めたい学問について検討すると良い。その際、日本文学、国文学を学べる他大学とも比較をして見るとより学科の魅力が理解できるようになるはずだ。
 将来像を無理やり記述する必要はない。純粋に学びたいという希望を前提に、大学とのマッチングを説明できれば十分である。もし将来像も含めて書く場合は、要項の精度の主旨を踏まえて書きたい。「読書経験」を活かした職業として要項に記載されている「図書館司書」や「編集・出版業」など、または次世代に受け継いでいく職業「国語教員」などを考えたい。

 

【第2次選考】
 一般入試に非常に近い形式の「国語」の筆記試験が課される。現代文・古文・漢文に加えて、小論文に分類できる記述問題を合わせ、大問が4つある。試験時間は75分であり、問題の量に比して時間は短め。
現代文には、一般入試レベルの記述式問題や文学史についての設問がある。さらに、古文、漢文では現代語訳も求められる。苦手な人は対策が必要だ。
 小論文は与えられた4つのテーマから1つを選び、それぞれについて具体例や理由を挙げて、自らの考えを述べると言うものである。2019年度は、ア.古典文学・古典芸能は、21世紀に、どのような存在価値を持つか?イ.文学と、漫画やアニメは、どのような関係性を築いてゆくべきか?ウ.インターネットの普及に伴って、日本語はどのように変化したか?エ.今までにない文芸誌を編集し出版するとしたら、どういう物にするか?という4つのテーマから1つを選んで記述するという問題が出されている。テーマ設定型と呼ばれる問題形式の練習をしておきたい。課題文が存在しないため、文学に関するや社会と文学・言語の関係にまつわる知識が武器となるだろう。

 面接においては、志望理由や大学時代の抱負を中心に質問されている。特徴的なのは、国語の筆記試験についての感想、さらに小論文で書いた内容に関する話題も質問されている点である。小論文に書いた内容を自らの口で説明できる必要もあるので、小論文対策をする際に意図や狙いなどを解説できるようにしておくと良い。

 

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合格した先輩の例

 日本文学科に自己推薦入試で合格した先輩の例を紹介しよう。百人一首が好きで、和歌が詠まれた当時の文化や社会的背景を知りたいと考え、日本文学科を志望。詩歌研究に加え、当時の音楽などを含めた文化についても学べる点が魅力であったという。
 記述も含む国語の筆記試験については、過去問の演習を通して問題傾向の把握に努めている。問題になれる練習が功を奏したと言えるだろう。
 面接では文学作品についての意見も求められている。「読書経験」を重視する入試ならではと言えるだろう。

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