同志社大学
文学部

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文学部では、国文学科と美学芸術学科で推薦選抜を実施している。国文学科の推薦選抜は伝統文化継承者特別入学試験と称されており、伝統文化を継承している「伝統文化継承者」を対象とする。どちらの学科も書類選考と筆記試験、口頭試問により、総合的に判断して合格者を決定する。
※掲載内容は変更されている場合があります。必ず大学のホームページ、入試案内冊子などをご確認ください。2024年10月31日更新
文学部 国文学科 推薦選抜入学試験
【開催中】
入試の特色
「伝統文化継承者特別入学試験」という別称の通り「古典芸能・茶道・華道・書画・織物・菓子などの多様な伝統文化を継承しており、また、その保存と継承に寄与できる人材」限定の試験。芸能でなく「織物・菓子」といった職人も含まれる。
募集人員は2人で直近の倍率は2倍。とはいえこの率は合格者が1人増えたら0倍になるためサンプルとして有効とは言い難い。
この方式で文化の継承者が国文学科で何を学び「保存と継承に寄与」するのか、なかなかに想像しにくい。なるほど要項にある通り「国文学科は伝統文化を研究対象とする」のはわかるけど、伝承者が国文学を研究する理由は何かというと思い浮かぶハッキリとした景色が突き止められないのだ。
確かに能や人形浄瑠璃は原典が存在するし、他の無形文化でも大なり小なり該当する文献も見当たる。書道はそのまま学べる。しかしこうしたアプローチは史学や芸術学の方が近しいともいえ方式の意図がよく見えない。
そこで国文学科および大学院の専任教員の研究を調べていくと特定の人物にたどり着く。おそらくその方を中心としたプロジェクトであろう。
要項には他に「日本の伝統文化の拠点である京都という立地を十二分に活用し」とも記載されている。列挙された有形・無形文化の発信拠点や歴史的関連を持つ劇場、博物館、建造物や今に伝わる芸能が京都市に満ちあふれているのは間違いない。22年8月には文化庁も移転してくる。継承者が街に触れて啓発されるというのまでは理解できる。問題はどう国文学に落とし込むかだ。取りも直さず京都のありようは志願者各人が継ぐ文化の「保存と継承」の方策に大きな示唆を与えるであろう。OBには華道や茶道の家元も輩出している(ただし国文学科ではない)。
ゆえに継承者が入学後、国文学科の学びを通して自らの文化をどう保存・継承していけるのかという展望を見出した者にのみ意味ある方式といえる。
入試概要
1.出願期間
11月上旬
2.提出書類
志望理由書、伝統文化を継承していることを証明する客観性のある書類、学校長推薦書等
3.1次選考合格発表
12月上旬
4.2次選考時期
12月中旬
5.2次選考内容
論文、口頭試問
6.2次合格発表
12月下旬
合格のツボ
極めて限定的な方式で「伝統文化を継承して」いない者には無縁。
文案を練る必要がある書類は「志望理由書」。題意はなく4000字も求められる。ここで「特色」で述べた「国文学科である必然」を描けるかどうかが勝負となろう。
何を継承しているかは「伝統文化の継承にかかわる指導者の推薦状」と「伝統文化を継承していることを証明する客観性のある書類」で証明できるから「志望理由書」で延々と繰り返す必要はない。むしろ「それだけは避けてほしい」というポイントだ。あくまで学習計画と「保存と継承に寄与」すべき将来への行程あたりを的確に示せるか。
ストレートに進むとしたら能ならば大学で風姿花伝や能楽伝書などに取り組みつつ、そこにある仕草などを烏丸の金剛能楽堂に通って確認し、市内に多く残る能舞台が観光的に成功している寺社に見出せるのを参考に「観光と能」の観点から発展への手がかりをつかむ……といったあたりであろう。
少々回り道をしてもいい。自らが伝承する文化にもっとも関係があると認められる時代の文学作品を広く講読して、なぜ勃興したのか、当時はいかなる受容形態であったのか、政治や経済とのつながりは……といった研究をして今日との相似を検討するというのもいい。
京都は学術都市であるとともに先端技術産業も盛んである。例えば人形浄瑠璃は中近世に開発されたロボットとも言い換えられる。人形遣いの継承者ならば所作を知悉しているはずだ。その動作解析を街に求めたいという展開もあり得る。この場合、国文学科での研究は近松、二代目出雲、半二などの脚本となろう。
いずれにせよ主に学ぶのが国文学であるのは論をまたないのでシラバス(授業内容)を十分に検討するようにしよう。
ここで1次選考され通過者のみ会場試験(最終)に臨める。内容は論文(100点)と口頭試問(100点)。論文といってもおそらく自身が継承している伝統文化が抱えている問題(だいたい「保存と継承」に落ち着きそう)と解決策などを聞いてくるパターンと考えていいだろう。
文学部 美学芸術学科 推薦選抜入学試験
入試の特色
日程や学校長推薦の有無などから「学校推薦型」ととらえていい。同志社大学独自のカテゴリーだと「推薦選抜入学試験・自己推薦入学試験(公募制)」と総合型とも学校推薦型とも受け取れるのでご注意を。学校長の推薦が必要なので合格したら必ず進学しなければならない。
他の出願条件は以下のいずれか。
・TOEICⓇLISTENING AND READINGテストのスコアが500点以上
・TOEFL iBTⓇテスト(TOEFL iBTⓇ Home Editionテストを含む)のスコアが45点以上(Test Dateスコアのみ)
・実用英語技能検定(英検)2級以上
・ドイツ語技能検定試験3級以上
・実用フランス語技能検定試験3級以上
・調査書の外国語(注:英語、ドイツ語、フランス語のうち1科目)の学習成績の状況が 4.0以上でかつ国語あるいは地理歴史のいずれか1科目の学習成績の状況が4.3以上
・芸術・文化の分野において、創作発表、コンクールなどの活動を通して社会的評価を得ている者でかつ外国語(注:英語、ドイツ語、フランス語のうち1科目)の学習成績の状況が4.3以上
英語資格のレベルは高いとはいえ学科を踏まえると妥当ともいえる。
募集人員は6人。実質(合格者数)とほぼ同一ととらえていい。倍率は5倍程度とかなり高い。出資格取得の時期などに応じて複数の条件を必要とする場合もあるから要項を熟読されたい。
人気が高いのは「今出川で美術を学ぶなんて素敵」というところからポピュラー音楽、演劇、映画、CMなどサブカル的な学びができるまで、いろいろと関係しよう。だが本質は「美学・芸術学・芸術史(美術史)」なのだ。言い換えると難解な学問である。美学は哲学の仲間で、美術史は史学の一部でもある。最も古い学問の1つで西洋絵画の技法やクラシック音楽といった領域が真ん真ん中。こうした領域を好きな高校生は既に専門書を読破するようなレベルに達している。ぬるい気持ちで挑戦しても撥ねつけられるし、幸か不幸か合格して進学しても謎の専門用語が飛び交う世界に後悔する4年間となりかねない。
また外国語の能力を重んじているのは主に西洋を対象とした研究がしたい人を求めていると予測できる。日本古代美術や東洋芸術なども扱う学科ではあるも、そうした指向を真っ向から受け止める方式とは思えない。日本美術研究は近世まで外国語など不要だし今出川にいるだけで研究対象など身近に転がっているにもかかわらず、だ。
入試概要
1.出願期間
11月上旬
2.提出書類
志望理由書、活動を証明する客観性のある書類、学校長推薦書等
3.1次選考合格発表
11月下旬
4.2次選考時期
12月上旬
5.2次選考内容
論文、口頭試問
6.2次合格発表
12月中旬
合格のツボ
「特色」で述べたようにお気楽な動機で受けても通らない。確信的に対象領域が定まっていて、かつ既に研さんしている者以外は避けるべきだ。
「合格したら必ず進学」だから、学校長の推薦を総合型選抜のように他大まで、つまり1人に複数出してくれる可能性が低い。他方、志望順位が高い総合型の最終選考が書類提出期限の11月上旬までに出なくても、公募型は条件さえ満たしていれば1学校で複数人を推薦しても理論上構わないはず。このあたりは高校によって異なるのでトータルな受験スケジュールを明確にしておいて、早めに担任や進路指導を分掌する教員を通して相談して理解を得ておこう。案外このあたりが「ツボ」であったりもする。
1次選考で文案を練る必要のある書類は志望理由書(1000字〜1200字)。ほぼこれで志願者の半数が落とされる。しかも題意の指定がなくて「志望理由書」のみ。
ここで「ツボ」というか注意事項。フリーで書くしかないので「美学・芸術学・芸術史(美術史)」の専門家はその特殊性により志望理由書を10秒眺めたら「適性なし」ぐらいはわかってしまう。そうした学域だから仕方ない。「条件が合ったから出願した」だけの者は文案に大変な苦労をした末にサヨナラを告げられるのみならず、貴重な学校型推薦のカードまで失ってしまう。ここでは「合格するツボ」を知るというより「合格しないツボ」を自ら既に突いていないかを確認した方が有益なのだ。
1次選考の通過者のみ会場試験(最終)に臨める。そこでは論文(100点)と口頭試問(50点)が課される。論文は芸術に関する課題文の読解や美術作品への鑑賞能力などを測る問いなどが予測される。口頭試問も含めて同方式が重視する外国語のセンスを問う可能性も十分ある。この時点で倍率が高く、ハードな選抜になる。
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