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青葉台校レポート

高校生、またその保護者の方へ贈る Withコロナ時代の大学受験論考#9 【慶應義塾大学SFCAO入試編】


みなさんこんにちは。早稲田塾青葉台校の阿部倫太朗です。

前回に引き続き、コロナ時代の大学受験の論考 第9弾を皆様にお届けします。

現役高校生の大学受験指導を15年間やってきた経験から、価値ある情報を皆さんにお届けすることで、少しでも高校生やその保護者の方の、先行きが見えない不安を解消できればと思います。

今回は「慶應義塾大学SFC・AO入試編」です!

文部科学省は、部活や資格試験中止が不利にならない配慮するよう通知
 文部科学省は、5月14日に全国の国公私立大学に対して、各種文化・スポーツ大会や語学資格試験などコロナの影響で中止になった影響により特定の受験生が不利にならないよう配慮するよう通知した。(https://mainichi.jp/articles/20200514/k00/00m/040/105000c)総合型選抜(旧AO入試)、学校推薦型選抜(旧公募推薦入試、指定校推薦入試)の評価の一つに、これら活動実績を評価する大学は多い。このことに対する措置だ。また、出願時期などを遅らせるかどうかについては、9月入学への移行も含めて、引き続き検討すると発表している。

どうやって、「配慮」するのか
 文科省では、調査書、推薦書や活動報告書など提出書類に、部活動大会や資格・検定試験にむけて「努力したプロセスなど」を記載させて評価することを挙げた。よって、プロセス重視の流れになることは確実だ。結果そのものよりもプロセスを多面的・総合的に評価するという理念は、ポートフォリオ評価が目指すところだ。コロナにより大学入試改革の本来の目的に近づくという皮肉な結果でもあるが、方向性自体は歓迎すべきものであろう。また、試験に関しても感染拡大防止の観点から工夫することが求められている。具体的には、オンラインによる個別面接やプレゼンテーションや実技動画の提出、また大学のオンライン授業を受講のうえ、レポートを作成させるなど、遠隔でできる方法を提示している。

活動実績に対する配慮の難しさ
 従来、活動実績そのものを評価する場合、出願条件として一定レベルを求めるものと、書類や面接試験で総合評価する方法の大きく2種類ある。例えば、立教大学自由選抜入試では「学術・文化・芸術の分野で都道府県レベル以上の大会・コンクールで上位に入賞した者など高い評価を得た者」や「スポーツの分野で都道府県レベル以上の大会においてベスト8以上の成績を収めた者」などといったことが出願条件の一つとして設定されている。(https://www.rikkyo.ac.jp/…/undergraduate/free_selection.html)
こうした条件で切るというタイプの評価方法を廃止しない限り、「不利にならないよう配慮」することは難しいだろう。

総合評価方式へのシフトが起こる?
 一方で、慶應義塾大学SFCのAO入試では、「学業を含めたさまざまな活動に積極的に取り組み、その成果が次の1つ以上に該当すると自己評価できる者」とあり、いくつか例示される活動種のなかに、「学術・文化・芸術・スポーツなどさまざまな分野において、研究、創作発表、コンクール、競技などの活動を通じ、社会的に評価を得ている。」というものがある。(https://www.keio.ac.jp/…/examinati…/ao-sfc/ao-sfc_senkou.pdf)ここで重要なのは、社会的に評価を得ていると「自己評価」すればよいという点である。実際、早稲田塾では例年80名程度の合格者(定員200名)がいるが、活動実績レベルそのものと最終合否の相関は極めて緩やかであるというデータがあり、また「実績よりもプロセス重視」であるということはもはや常識である。ここで、重要となるのは「モノの見方」や「目のつけどころ」なのである。同じ学校のサッカー部活で同じ実績をもつ生徒であっても、その生徒一人ひとりの独自性がある。そこを受験生自身が認識し、言語化することが大切だ。多くの大学が、このような「SFC型」の評価方法をとる方向にシフトすることも十分考えられるだろう。

募集要項の発表時期が遅れる影響
 文科省からの通知を受けてか、慶應義塾大学SFCでは例年5月中旬に発表していたAO入試募集要項の発表を6月末に延期する異例の発表を5月14日ホームページにて行った。(https://www.sfc.keio.ac.jp/news/014608.html) 通常なら7月1日よりweb出願エントリーが開始するが、6月末になってから募集要項を発表するということは、試験スケジュールが後ろ倒しになることはほぼ確実であろう。この影響をどう読むか。スポーツ推薦に期待していた生徒が路頭に迷ったり、3密を避けられない一般入試の実施の不明瞭さによる不安など、受験生動向の変化が起こるファクターは多数ある。その中でも特に重要なのは、準備時間が伸びることだろう。ただでさえ、学校休校やイベント中止などにより自由時間が増えている中、さらに出願時期や試験実施時期が遅くなる。単純に考えれば、出願準備にかけられる時間が伸びる訳だから、受験者の提出書類のレベルが上がることが考えられる。活動実績などで差をつけてはならないという方針を考えると、ポートフォリオと志望理由書の質の差が評価の焦点になると思われる。特にbeforeコロナと、人生設計や大学での学習計画にまったく変化がないとしたら、時代を捉える感性がないと評価されるだろう。また、逆に3.11東日本大震災後に建築志望が増えたように、今までの人生における軸と、不自然な不連続性があるものであれば、実感のない安易な空理空論になる危険性もある。聞きかじりの知識ではなく、深く社会の空気感を吸い込み、自分の内なる声と対話した受験生だけが、コロナという社会事象を消化できる。

対面とオンラインで印象は異なる
 また、面接などをオンラインにすることやビデオ審査を取り入れるということも、場所が変わるだけではない試験の質的差異を考える必要がある。すでに、慶應義塾大学SFC9月入学AO入試は、4月28日に遠隔面接の実施を決めている。(https://www.sfc.keio.ac.jp/news/014585.html) まずは不正防止について。本人確認については、顔認証や声紋など動画から個人を特定する技術はすでに確立しているが、同室からないしはビデオチャットや電話などで、遠隔で助言をする第三者の存在を排除できるかは大きな課題であろう。この点、欧米などでは遠隔試験に関してのノウハウ蓄積があるであろうから、参考にすべきだ。また、カメラやマイクの性能、または通信速度など動作環境差によっても、どうしても印象の差が出てしまうことは仕方がない。人の印象は、2秒で決まる見た目勝負だが、背景に映るものもの含めてのセルフプロデュースが求められる。今後の社会では、テレワークがより浸透していくことも考えれば、こうした相手への配慮ができるかどうかも、広い意味でも実力というのは言い過ぎだろうか。とはいえ、表情や姿勢、声量、断定的な言い切りなど、対面以上に表現に気を付けなければ真意を伝えられないことは考慮すべきであろう。オンラインには、オンラインにおける「トーン&マナー」がある。より非認知能力を鍛えることが重要になる。来るべき21世紀を予見し、1990年の開学当初からAO入試による選抜を基本としてきた慶應義塾大学SFCが、Withコロナ時代における大学入試のNewNormalを体現している。これからもSFCの動向に注目すべきであろう。

執筆者:
早稲田塾青葉台校
校舎長 阿部倫太朗

【自己紹介】
 リチャードファインマンのようなユーモアと知性を兼ね備えた人物を目指したい。高校生のときに深遠なる物理学の世界に出会ったことをきっかけに、学問の面白さを伝えるべく早稲田塾に飛び込んだ。現在は青葉台校にて、進路発見指導を専門とするケアスタッフとして、現場から理想の教育環境を実現すべく奮闘中。

【メッセージ】
高校生、またその保護者の方へ贈る
『Withコロナ時代の大学受験論考シリーズ』
今後、様々な大学受験情報をこちらのページを通じて発信していきます。現役高校生の大学受験指導を15年間やってきた経験から、価値ある情報を皆さんにお届けすることで、少しでも高校生やその保護者の方の、先行きが見えない不安を解消できればと思います。

【バックナンバー】
#1「大学情報収集術編」4月24日
https://www.wasedajuku.com/article/wasedane_aobadai/post-18740/ 

#2「受験校選択編」4月27日
https://www.wasedajuku.com/article/wasedane_aobadai/post-18744/ 

#3「AO・推薦入試実施延期編」4月30日
https://www.wasedajuku.com/article/wasedane_aobadai/post-18790/

#4「志望大学学部選び編」5月3日
https://www.wasedajuku.com/article/wasedane_aobadai/post-18960/

#5「未来の大学入試編①」5月6日
https://www.wasedajuku.com/article/wasedane_aobadai/post-18963/

#6「未来の大学入試編②」5月9日
https://www.wasedajuku.com/article/wasedane_aobadai/post-19235

#7 「教室のデジタル化のゆくえ編」5月12日https://www.wasedajuku.com/article/wasedane_aobadai/post-19375/

#8 「慶應法学部FIT入試&中央大学法学部チャレンジ入試編」5月16日https://www.wasedajuku.com/article/wasedane_aobadai/post-19580/

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投稿者:阿部 倫太朗

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