吉祥寺校レポート

一年の締めくくりにクラシックはいかが?

皆さんこんにちは!
吉祥寺校担任助手の吹山です(千葉工業大学創造工学部建築学科1年)



いよいよ2025年も残すとこあと二か月。

やっぱり年末の風物詩といえばベートーヴェンの「第九」が圧倒的。
来る新年へのエネルギーを与えてくれる華やかなプログラムが多数予定されています。

塾生の皆さんも音楽をやっていたり興味がある人は多いのではないでしょうか?


しかし、クラシックは敷居が高い…と思いがち…

そこで今回は、年末の主要コンサートを「探究学習」の視点からご紹介します。自分の「好き」や興味を、学問のテーマへと昇華させるヒントを見つけていきましょう!



演奏会を「探究のタネ」にする3つの視点

・ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」と「苦難の克服」

「運命」は、有名な「ジャジャジャジャーン」の冒頭から始まり、苦難を乗り越えて勝利に至るというメッセージを持っています。
これは、一年の締めくくりに非常にふさわしい壮大なテーマとされています。

ベートーヴェンが聴覚を失うという苦難の中で、なぜこのような「勝利」を描くことができたのか?
彼の音楽に込められた「克服の哲学」は、現代社会が直面する少子高齢化や環境の持続性への不安などの問題に、どのような「解」を与えることができるでしょうか。

今回演奏するウクライナ国立歌劇場管弦楽団は、現代の地政学的な困難の中で演奏活動を続けています。彼らが演奏するベートーヴェンの「運命」は、聴衆にどのようなメッセージを伝えているのか、音楽と社会情勢の関係を探究するのも興味深いテーマです。



・コンサートホール:「響き」を形作る建築の探究

サントリーホールや東京芸術劇場、NHKホールなどは、単なる建物ではなく、最高の音楽体験を実現するための「巨大な楽器」とも言えます。
これらのホールは、音楽の響き(音響)を科学的・芸術的に設計された建築作品です。

なぜサントリーホールは「東洋一の響き」と称されるのか?その秘密は、客席がステージを囲むヴィンヤード形式(ブドウ畑状の階段席)や、天井の音響反射板、そして客席の内装材(木材など)にあります。これらの構造が、音の残響時間や拡散にどのような影響を与え、理想的な響きを生み出しているのかを、音響測定データや建築図面から分析します。

ホールの座席位置によって音の聞こえ方がどう変わるのかを科学的に調査し、リスナー体験の最適化について考えることもできます。

また、東京芸術劇場やミューザ川崎シンフォニーホールのように、都市開発や再開発の一環として建設された複合施設内のホールは、その立地やデザインにどのようなまちづくりの思想が反映されているのでしょうか。

クラシック音楽の殿堂であるこれらのホールが、地域住民の文化的生活や都市のブランドイメージにどのような役割を果たしているのかを、社会学や都市計画の視点から探究し、未来の公共建築のあり方を提言するのも興味深いテーマです。


探究を深めるための早稲田塾活用術

コンサート鑑賞で得た興味や感動を、大学で専門的に学ぶためのテーマへとつなげていくには、一連の探究活動が必要です。

「人間力」を鍛え、高い学力を身につけることを理念とする早稲田塾では、皆さんの「好き」を学問に昇華させるためのサポートを行っています。

例えば、未来発見プログラムの活用は各分野の第一線で活躍する大学教授や有識者の方から直接指導を受け、研究テーマを多面的に深めることができ、真の進路発見につながるカリキュラムです。
「SDGsまちづくりプログラム」が、建築への興味を深めるきっかけになった例もあります。


☆年末の華やかな音楽体験を、あなたの知的好奇心を刺激する「探究の第一歩」として最大限に活かしましょう!☆