池袋校レポート

担任助手の専門分野紹介!〜文化人類学とは?〜②

みなさんこんにちは!

池袋校担任助手の小林幹(早稲田大学文化構想学部2年、神奈川県立鎌倉高等学校卒)です。


前回のワセダネでは、私が大学での専門としている文化人類学という学問がどのようなものであるかについてご紹介しました。

(まだ①をご覧になっていない方は、ぜひこちらからご覧ください!)

今回のワセダネでは、文化人類学を支えている研究手法に焦点を当ててご紹介していきたいと思います!


①文献調査

まず、研究において大切となるのは論文や書籍による文献調査です。

これを抜かりなく行うことによって、自分の研究の方向性をつかみ、やるべきことを明確化することができます。

自分自身の研究テーマが定まっている場合にはその分野に近い文献を、定まっていない場合には興味のある分野の文献を読み込むことで、研究テーマをより明確化・深化させていきます。

現在早稲田塾の高3生は、出願書類の書き上げに向けて論文や書籍をたくさん読み込んでいると思いますが、まさに同様のことを大学生も実践しています!

(その点でも、大学生の学びを先取りできている早稲田塾生は有利ですね!)


②フィールドワーク

上記の文献調査を進める過程で、自分が研究の対象とする地域を定めていきます。

それが定まったら、人類学者は実際に調査地へ赴き、フィールドワークを開始します。

ここでよく聞かれる言葉に、「参与観察」というものがあります。

前回のワセダネで観察という行為についても触れましたが、人類学者にとって文化集団を観察する行為は、単に離れた場所から眺めることを指すわけではありません。

「参与」とあるように、実際にその文化の中で生きる人々と生活を共にし、その文化集団でみられる人々の行為や風景を記述していきます。

時にインタビューなども取り入れ、自身の知りたいことを解明していきます。


③分析

フィールドワークを通じて得られたデータ(観察による記述・インタビューでの録音など)から、自分が参加した文化集団に属する人々の行為や風習の意味を考察していきます。

文化人類学の特徴的な点は、仮説の扱い方にあると思います。

例えば理系学問においては、あらかじめ仮説を設定し実験という手法を用いることで、仮説が正しいかを検証します。

(みなさんも水を分解したら酸素と水素が生じると仮定し、水の電気分解を試みたことがあると思います。実際に気体が生じたか確かめるために、マッチを試験管に近づけましたよね!)

一方の文化人類学では、フィールドでの学びが自身の仮説を覆す、あるいはまったく別の観点からのものの見方を身に着けられることも多々あります。

すなわち、文化人類学においては仮説を検証するというよりも、仮説を自身の気づきから常に生成していく態度が必要となります。


ここまでで、文化人類学者が研究をどのように進めるのか、大まかな流れをご紹介しましたが、少しでも多くの方に文化人類学への興味を抱いていただけると幸いです。


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