池袋校レポート

担任助手の専門分野紹介!〜文化人類学とは?〜①

みなさんこんにちは!

池袋校担任助手の小林幹(早稲田大学文化構想学部2年、神奈川県立鎌倉高等学校卒)です。


今回のワセダネ では、私が普段大学で学んでいる文化人類学という学問をみなさんに紹介したいと思います。


まず、みなさんは「文化」と聞いてどのようなものを想像されるでしょうか?

「文化」という言葉の定義自体は、学者の数だけ存在すると言っても過言ではないほど難しいものであります。ここでは著名な文化人類学者の1人である、エドワード・タイラーという人物の定義をご紹介いたします。


知識、信仰、芸術、道徳、法律、慣習、および人間が社会の一員として獲得したすべての能力と習慣を含む複合体

E.B.Tylor 『原始文化』1871


ここからわかるように、人間が単なる生物としてではなく、ある社会に生きる個体として身につけるものと解釈することができます。言い換えれば、人間が先天的に獲得する身体的特徴と対をなす、後天的に獲得する思想・生き方などが「文化」と呼ぶ対象となり得ます。


(この点について、フランス現代哲学者のブリュノ・ラトュールという人物は、人間が身体的特徴という普遍性を持っているからこそ、文化的な側面が輝いてみえる、と論じています。 『諸世界の戦争』 2002)


「文化」というものが何となく理解できたところで、次に文化人類学という学問が目指すものをご紹介します。


文化人類学者は、自文化の外に出て他文化集団に入り込み、その文化集団内の風習や慣例などといった、目に見える人々の行動・景色などを観察します。その観察結果から、その文化集団を生きる人々にとって、それがどのような意味を持つのかを考察し、エスノグラフィーと呼ばれる民族誌に書き起こします。


たとえば、『西太平洋の遠洋航海者』という民族誌を著したポーランド人の人類学者であるマリノフスキーという人物の研究を見てみましょう。彼はトロブリアンド諸島と呼ばれる島々に存在する、「クラ」という品々を島間で贈り合う風習に目をつけ、その意味を探りました。(詳細は書ききれないので、調べてみてください!)


このように、他文化集団に自分自身の身を投じてこそ見えてくる風習を記述することで、その文化がいかに自文化と異なるのかを見つめることができます。


次回以降では、実際に文化人類学という学問でとられる研究手法やおススメの本などもご紹介する予定です!お楽しみに!




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