横浜校レポート

学芸員実習に行ってきました! vol.2 ~作品保護について~

こんにちは。明治学院大学文学部芸術学科4年の楫彩那です。(江戸川女子高校出身、早稲田塾41期生)

この夏休みに、学芸員資格を取得するための学芸員実習に参加してきました!

せっかくの機会ということもあり、学芸員資格の勉強の面白さやそのリアルをお伝えしたいと考え、連載化していこうと思います!


vol.1はこちら


 vol.2の今回は、作品保護について。

私は勉強を始める前は、「ただ作品をいい感じに展示しているんでしょ!」くらいにしか思っていませんでした…


でも、実は作品を守りながら展示するという、保存と公開の営みは相反する行為であり、非常に頭を使うんです!

博物館や美術館で扱う作品や展示品は非常に貴重なものですが、月日が経つともちろん劣化していきます。

そして、劣化する要因はそのそれぞれの素材によって、異なってきます。そういった勉強をして、適切な環境を整えるのも学芸員の仕事です。

実習などでは、それぞれの劣化要因に合わせて展示を考えるほか、実際に展示室や収蔵庫で作品を守るためにどんな取り組みが行われているのかの解説がありました。


例えば、日本の絵巻物は非常にもろく、熱、湿度、照度に非常に弱くなっています。そのため、日本の歴史的なものを扱っているところでは、20度前後で非常に涼しく、照度が低く、薄暗い、眠たくなってしまうような環境になっています…(泣)

対して、金属でできているような作品だと、湿度や雨などでさびることが懸念されますが、熱や照度という部分には強いため、比較的明るく展示されていることもあります。

美術館はなんか暗いイメージ、涼しいイメージという方も多いと思いますが、そういったところから生まれているものなんです。海外の美術館が明るいのは、石像やブロンド像は劣化に強く、油絵なども日本画よりは照度に強いので、そういったところも理由になります。


環境以外にも、劣化要因はあります。

地震や浸水被害などの自然災害、虫に食われる、誰かが汚す、盗難、何かで衝撃を受ける、ダメージの蓄積などなど。

そういった事故的な劣化を防ぐために作品の固定の仕方や保護ケースの有無、防虫剤や虫がいるかの定点観察、監視官の配置など様々な取り組みが行われています。

展示会によっては海外から輸送してくることもあるのですが、運送中に作品が破損しないよう美術専門のプロと輸送し、細心の注意を払うそうです。

そういった細々とした差配を行い、作品を守るプロというのも学芸員の仕事なんです!


さて、今回はここまで!

皆さんにお話ししたいことがたくさんあるので、まだまだ続きそうです!

待っててくださいね!


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