吉祥寺校レポート

Podcastのすすめ

皆さんこんにちは!


吉祥寺校担任助手の吹山です(千葉工業大学創造工学部建築学科1年)



現代、SNS、動画配信、ニュースアプリなど、ありとあらゆる情報が多様かつ過剰なほどに流れ込んでくる時代です。
皆さんも一日に様々なメディアを通じて情報を得ていると思いますが、このような情報過多な環境にうんざりすることもしばしばあるのではないでしょうか。

視覚的な情報が主流となっている中で、「耳」だけで楽しめるメディアであるPodcastを聴いてみることをおすすめします。

今回は、Podcastがどのような役割を果たし、どのように探究学習や受験対策に役立つのかを、分かりやすく解説します。


※サムネイルは生成AIによるもの


そもそもPodcastって?

Podcastは、インターネットを通じて配信される音声コンテンツ(または動画コンテンツ)であり、インターネットで聴くラジオの一種として認識して良いでしょう。
コンテンツは音声ファイルをウェブサーバーにアップロードし、RSSという仕組みを通じて公開されます。

「Podcast」という名前は、2000年代初頭に、Appleの携帯音楽プレーヤー「iPod」と「放送する(broadcast)」という言葉を組み合わせて作られた造語です。

【聴き方と特徴】 
Podcastを聴く方法は非常に簡単です。

1. Apple Podcasts、Spotify、Amazon Musicなどのアプリをスマートフォンにダウンロードします。

2. 聴きたい番組を検索し、登録(購読)します。

3. 一度登録すると、新しいエピソードが自動で更新・ダウンロードされるため、いつでも再生して聴くことができます。
 何よりも、Podcastは基本的に無料で聞くことができ、YouTubeのような広告も基本的にはありません。
 また、バックグラウンドでの再生も可能なため、好きな時に好きなものを気軽に聞くことができます。



Podcastの役割と探究学習への活用

「ながら聴き」で時間を有効活用

Podcastの最大の強みは、「ながら聴き」ができることです。
映像を見る必要がないため、通勤・通学時間や、家事中、運動中など、他の作業と並行して効率的に情報収集やエンタメを楽しめます
忙しい現代人にとって、時間を有効活用できる手段として人気を集めています。


質の高いインプットと探究心の刺激

Podcastは、高校生の皆さんの知的好奇心を刺激し、探究学習を深める最高の武器となります。

• 深い一次情報に触れる力 Podcastには、専門誌のように狭いテーマを徹底的に深掘りする番組が増えています。
 例えば、ビジネス、歴史、科学、あるいは社会の構造的な問題など、学校の授業では扱わないような専門的な知識や、ある分野の「深い一次情報」を手軽にインプットできます。

• 新しい発見の機会 もしあなたが「特定の分野に興味はあるけれど、どこから手を付けていいかわからない」と感じているなら、多様なジャンルやテーマの番組を聴くことで、新たな知識や視点が得られ、「興味関心のある分野」や「新しい発見」が見つかるかもしれません。


思考の訓練とアウトプットの場

Podcastを聴くことは、専門家やクリエイターの思考プロセスや独自の視点を学ぶ訓練になります。
特に議論や対話形式の番組は、どのように物事を分析し、言語化しているかを学ぶことができます。

さらに、Podcastはアウトプットの練習にも最適です。
高価な機材がなくても、スマートフォン一台と無料アプリで自分の考えていることを「声」で表現する行為をすぐに始めることができ、これは思考を整理し、言語化する力を鍛えます。

また、Podcastユーザーには「製品や新しいサービスを取り入れるのが人よりも早い」など情報感度の高さがデータに表れており、企業の決済権者(経営者や管理職)の割合が多い点も注目されています。
これは、ポッドキャストが「能動的な自己選択」を伴うメディアであるため、リスナーが傾聴性をもってコンテンツに触れる傾向があるからです。



わたしがおすすめする番組紹介

奇奇怪怪
ヒップホップユニットDos MonosのラッパーTaiTanさんと、ロックバンドMONO NO AWAREの玉置周啓さんによる番組です。
2020年のコロナ禍に、誰の目も気にしない「雑談の聖域」として始まりました。
この番組の魅力は、日常を薄く支配する言葉の謎や現象(例えば「知ってるマン」の罪など)を「怪奇現象」として捉えて面白がるところにあります。
議論の結論ではなく、話の「脱線」に面白さのサビが置かれている点に、独特のリズムと深みがあります。
これは、二人が言葉への強い好奇心と執着を持ち、言葉の重さと軽さを使い分ける能力を持っているからこそ成立する「高度なコミュニケーション」だと言えます。


視点倉庫
文芸評論家・三宅香帆さんが「いま誰かに向けて語るべき視点」を毎回一つピックアップし、深掘りする「声の週刊誌」をコンセプトとしています。
集英社の音声レーベルから毎週木曜日に配信され、一人語りやゲストとの対談を通じて、本や仕事、日常のモヤモヤなど幅広いテーマを扱い、リスナーに新たな気づきや多様なものの見方を提供しています。


Joi Ito's Podcast - 変革への道
元MITメディア・ラボ所長・伊藤穰一さんが、自身の幅広いネットワークから国内外の多彩なゲストを迎え、「これからのニッポン」の変革を議論するポッドキャストです。
テクノロジーを軸に、教育やニューロダイバーシティ、スポーツ、茶道など多岐にわたるテーマを深く掘り下げ、リスナーがデジタル社会を生き抜くための「デジタルセンシビリティ」を養うインスピレーションを提供します。
ゲストには本田圭佑さん、中田敦彦さん、オードリー・タンさんなど。

ゆる言語学ラジオ
「ゆるく楽しく言語の話をする」をコンセプトに、「springがなぜ『春』と『バネ』を意味するのか?」や「日本語の文法」といった身近な疑問から、言語学の奥深いトピックを掘り下げます。
「言語学の二歩くらい手前の知識が身につくラジオ」を目指しており、難しい学問を誰もが面白く学べるコンテンツとして支持を集め、国内最大級のPodcastアワードで受賞歴もあります。

流通空論
TaiTanさんによる、「流通」をテーマにした放言ビジネスプログラムです。
著名な経営者やスタートアップ経営者をゲストに招き、ヒット商品の舞台裏や、ブランドの仕組みづくり、成功秘話などを縦横無尽に語り尽くす経済ドキュメンタリーのような番組です。
番組では「流通」をテーマにしながらも、ドン・キホーテの空間創造論、老舗銭湯の狙い、コクヨのノート哲学など、私たちの日常に直結するテーマが深く掘り下げられ、ビジネスとエンタメが見事に融合しています。



終わりに

Podcastは、皆さんの知識を深め、探究心を刺激するための強力なツールです。ぜひ、この機会に「耳からの学び」を楽しんでみてください。