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2025年度共通テストの傾向を解説!【情報・英語・国語・数学】

2020年度まで実施されていた大学入試センター試験に代わり、2021年度から大学入学共通テストが導入されました。さらに今年の2025年度入試では、新課程に対応した内容へと大幅な変更が行われました。この記事では、2025年度共通テストの傾向を解説し、現在の受験生に求められている力についてお伝えします 。
2025年度共通テストから変わった!今年の傾向について
2025年度は新課程での共通テスト実施となったため、「数学」「地理歴史」「公民」で科目構成の見直しが行われたほか、新たに「情報Ⅰ」が加わりました。様々な変更事項に、心配な受験生もきっと多かったはず。しかし例年通り、知識に加えて、読解力や思考力を見る傾向に変更はありませんでした。
今回は新設された「情報Ⅰ」と、主要3科目である「英語」「国語」「数学」において、どのような傾向があったのか解説していきます!
情報Ⅰ:新設科目として注目!
英語:幅広い題材から出題
国語:「実用的な文章」が追加
数学:問題構成に変化あり
◎ 情報Ⅰについて
傾向
新教科として新設された「情報Ⅰ」。全体的な構成は、試作問題と同様でした。出題内容としては、情報技術などの基礎的な知識はもちろん、コンピュータとプログラミングや、情報通信ネットワークとデータの活用が出題の大半を占めました。たとえば第4問では、地方別の旅行者数に関するデータについて、多種多様なグラフから内容を考察する問題が出題されました。散布図と相関係数のみから読み取れることを選択する問題、散布図や箱ひげ図から読み取れることを選択する問題など、前提の知識があったうえで複数の要素を分析する問題が多いのが特徴的でした。一見難しそうに見えるかもしれませんが、しっかりと問題文を読めば解けるようになっています。焦らずに挑みましょう。
知識問題は、教科書をベースにした基礎的な内容のため、早めのうちから対策をしておきましょう。また「情報Ⅰ」は、実践的な性格が強い試験となっています。日常的に新聞・テレビ・インターネットなど各メディアのニュースに触れることはもちろん、時事的な問題に対する感度を高く持って、疑問を感じたことがらについて積極的に調べる習慣をつけることが重要といえます。また第2問Bでは、モデル化とシミュレーションが扱われました。シミュレーション自体は、表計算ソフトや専用のソフトウェアを用いることである程度行えるので、自分で実際に取り組んでみても良いかもしれません。
「情報Ⅰ」は主要科目ほど配点は高くないとはいえ、多くの国公立大学で受験が義務づけられています。大学受験では、わずかな数点が合否を左右することになりますので、入念に対策しましょう。科目の性質上、グラフや図表が含まれる問題がかなりの割合を占めるので、素早いデータの読み取りにも慣れておきましょう。
◎ 英語(リーディング)について
傾向
大問数は昨年より2つ増加し、全8大問の構成でした。例年のように中問A・Bに分かれている大問はありませんでした。今年は、多様な題材から出題されていたのが特徴的です。魚を飼育するための水槽に関するパンフレットや、最新の乗り物に関するフォーラムについてのブログ記事、会議の開催に向けたEメールのやり取りなど、身近な話題を扱った英文から、動物の睡眠パターンについての記事や、宇宙開発の是非に関する意見文や資料といったアカデミックなテーマを扱ったもの幅広く出題されました。
第3問と第4問以外のすべての大問で、図、表、イラストが使用されており、複数の情報をそれぞれ結びつけながら、概要や要点を把握する力が求められました。試験全体の総語数は昨年より減少したものの、資料の数が多いため、素早く読み取らなければなりません。
共通テストのリーディングは長文読解が中心となりますが、一つのまとまった文章を読むだけでなく、表や資料、文章に対するコメントなど様々な読み取りに慣れる必要があります。もちろん前提として文法や語彙を身につけたうえで、全文を精読するのではなく、必要な情報だけを拾いにいくという読み方をしていきましょう。また今年の問題では、先行研究や参考文献に関する文章や、それをもとにしたプレゼンの骨子の文章などが題材として挙げられました。高校の「探究学習」などで日頃からそういった文章に触れることも、対策の一つといえるでしょう。
また特に英語は分量が多く、制限時間内で解ききることができない可能性もあります。限られた時間の中でリーディングの問題を最後まで解ききるためには、高いタイムマネジメント能力も必要となります。
国公立志望の方必見!共通テストを課す・課さない総合型選抜をそれぞれ解説しています👇
◎ 国語について
傾向
第1問および第2問は、従来のセンター試験のようなシンプルな形式に戻りました。特徴的だった変更点として、第3問に「実用的文章」の大問が1つ増加したことが挙げられます。これは今年(2025)から導入された新傾向の問題であり、従来のようにまとまった一つの文章を読むのではなく、折れ線グラフや棒グラフなども含んだ複数の資料から読み取る問題が出題されました。問題の構成は、生徒が課外活動で書いたと想定される文章と、その際にまとめ直した資料の2つから成っています。その後問3で、2つの資料の根拠となる追加の資料が与えられました。その他、設問数は2つ増えましたが、マーク数に変化はありませんでした。
来年の共通テストは、「実用的文章」が出題される2年目となります。今回で「実用的文章」の出題傾向が固まったとは言い切れないため、大学入試センターから示された「試作問題」も参考にしながら、積極的に対策を行いましょう。また試験本番でどのようなタイプの問題にも対応できるよう、できるだけ多くの種類の問題に取り組みましょう。
新たな傾向の問題が増えたとはいえ、国語において最も大切なのは「基本の読解力をつけること」です。日頃から文章を読み意図を理解することに慣れていきましょう。
また、時間配分を意識して解くことや、読解のスピードを上げることも大切です。今年から国語は、近代以降の文章が1問増えて大問5問構成になりました。それに伴い試験時間は前年までと比べて10分延び、90分となりました。試験時間が延長されたとはいえ、厳しい時間制約の中で解かなければなりません。「論理的文章」「文学的文章」「実用的文章」および「古文」「漢文」も含めて、どの順番で解けば得点が安定するのか、自分なりの解答方法を確立するのが重要なポイントといえます。
◎ 数学について
傾向
数学では、いくつかの出題単元に変更がありました。数学ⅠAにおいては選択問題がなくなり、全問必答で4題を解答する形式になりました。昨年度までの数学ⅡBは『数学ⅡBC』に変更され、数学Ⅱ部分の3問と、数学BC部分の4問の中から3問選択という、合計6つの大問が出題されました。
数学ⅠAにおける新課程内容については、データの分析の外れ値・仮説検定に関する問題、場合の数と確率の期待値が出題されました。データの分析においては、箱ひげ図の出題が無く、分散同士の大小関係を比較するという目新しい問題が出題されました。
数学ⅡBCにおいては、問題数が増えただけでなく、全体的な文章量が大きく増加しました。文章量の増加に伴って、問題文から数学的な要素を抽出した上で考察することが求められています。正しいグラフ、正しい記述を選択する問題などといった共通テストの特徴をもつ出題はありますが、これまでと大きく異なる特徴的な出題は見当たりませんでした。
共通テスト全体の傾向としても挙げられますが、近年の共通テストでは誘導に従って問題を解き進める力だけではなく、授業風景や日常生活に関する対話などを場面に設定した長い問題文から、必要な情報を読み取って解き進める力が要求されています。まずは早いうちから基礎を固めたうえで、問題演習を繰り返し、与えられた情報をより速く正確に読み取る訓練をしていきましょう。
公式や解法の暗記に頼るだけでは、近年の共通テストは難しくなってきています。公式や解法の原理を理解してから先に進むような勉強を繰り返すことで、目の前の試験だけでなく、将来社会に出てからも役立つ「考える力」をつけることができます。
特に数学ⅡBCにおいて、問題数や分量が増加しているため、今まで以上に、一つ一つの問題をスピーディーに解いていくことが必要になります。限られた時間で正確に解けるようにしていきましょう。
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学習指導要領から分析!受験生に求められている力とは?
- 1. 知識・技能「何を知っているか、何ができるか」
- 2. 思考力・判断力・表現力「知っていること・できることをどう使うか」
- 3. 学びに向かう力・人間性等「どのように社会・世界と関わり、より良い人生を送るか」
様々な変化のあった2025年度入試。これから受験を迎える高校生の皆さんは、新たな形式での試験に、どのような力が求められるのか不安も大きいと思います。
2026年度以降の大学入学共通テストを攻略するにあたって、ポイントとなるのは「新しい学習指導要領」です。学習指導要領に記載されている、身につけるべき資質・能力について確認しておきましょう。
各教科等に対する個別の知識や技能など。それらを既存の知識と関連付けたり組み合わせたりしていくことにより、様々な場面で活用できる知識としての定着を目指します。
今身につけた知識や技能を、問題発見・解決のプロセスの中で活用していく力、それらを状況に応じて相手に伝える力を鍛えます。
主体的に学習に取り組む態度や他者と協働する力など、身につけた資質や能力をどう方向づけていくかといった力を育みます。
特に思考力や表現力・人間性は、一朝一夕には身につきません。従来の知識重視の勉強法では、到底太刀打ちできなくなっています。これら3つをバランスよく身につけるためには、日常的な訓練が必要です。
共通テスト利用の総合型選抜
総合型選抜は、志望理由書、活動報告書などを提出する1次選考、面接や小論文試験などの2次選考が行われるのが一般的な試験です。その中で国公立大学の総合型選抜は、ほとんどが最終選考で共通テストを課されます。また、一部の私立大学の総合型選抜でも共通テストの成績提出が求められる場合があります。ここでは、主な共通テスト利用の総合型選抜を紹介します。なお、入試情報は変更される場合がありますので、大学公式ホームページを必ず確認しましょう。
◎早稲田大学 地域探究・貢献入試(旧:新思考入試)
対象学部:法学部・文化構想学部・文学部・商学部・人間科学部・スポーツ科学部
1次選考:書類審査 2次選考:総合試験(筆記)最終選考:共通テスト8割以上
◎明治大学 商学部 公募制推薦入試(大学入学共通テスト利用)
部門により英語資格の提出や留学経験が必須。共通テストの成績で合否判定を行う。
◎東北大学 AO入試Ⅲ期
志願者数が募集人員を大幅に上回る場合は、共通テストの成績により1次選考を行う場合あり。2次選考は書類、面接審査。
◎横浜国立大学 総合型選抜
1次選考:書類審査、小論文試験 2次選考:面接試験 最終選考:共通テスト
◎一橋大学 学校推薦型選抜
1次選考:共通テスト 2次選考:書類審査、小論文試験、面接試験
◎東京工業大学 総合型選抜
1次選考:共通テスト 2次選考:個別学力検査(学部による)、書類審査(学部による)、面接試験
もともと一橋大学に強い憧れがあり一般選抜での受験を考えていたのですが、総合型・学校推薦型選抜でも受験できることを知り、受験のチャンスが広がるならと挑戦を決意しました。一橋大学の学校推薦型選抜は、1次選考で共通テスト、2次選考で書類審査、小論文、面接試験があります。一般選抜とも両立していたので、「東進講座」を受講して対策しました。「総合型・学校推薦型選抜特別指導」では、何度も書類にダメ出しをもらいましたが、結果的に納得のいく書類を作成することが出来ました。
建築学を大学で勉強したいという思いがあったため、総合型選抜と一般受験のどちらも活用したいと考えていました。 志望校は理系のトップである東京工業大学に。 東工大の総合型選抜は、共通テストの足切りがあるので、一般選抜の対策も平行して行う必要があります。 一般選抜と総合型選抜はそれぞれ異なる入試形式ではありますが、問われている力は変わりません。受験するチャンスが2回に増えて選択肢も広がったため、両立して良かったと思います。 東工大の提出書類対策としては、早めに志望理由書の大枠を完成させて、12月にブラッシュアップするなど、時期に合わせて取捨選択をして対策し続けたことが勝因です。 課題のスケッチに関しても、高2生の6月から高3生の8月まで行なっていましたが、その先は基本的に一般選抜の対策をメインにしていました。メリハリを付けて集中することで、第一志望校を掴み取りました。