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2025年共通テストの『数学・情報』はこう変わる!これまでの共通テスト/センター試験から紐解く、今後の高校生に求められる力とは?

2024年1月13日および14日に実施された大学入試共通テストは、センター試験から移行して以来、今回で4回目の実施となりました。
毎年、出題内容の変化が注目される中、特に2025年の新課程共通テストへの変革は大きな関心を集めました。本稿では2025年からの新課程共通テストの特徴や対策方法をご紹介します。
2025年度からの新科目「情報」の導入により、国立大学を目指す受験生は、従来の5教科7科目から 6教科8科目 への対策が必要となります。
より幅広い知識と能力が求められるといえるでしょう。
また、「日本史」「世界史」から「日本史探究」「世界史探究」へ変更するなど、主体性を持って多様な人々と協働して学んできたか、いわゆる「探究学習」との関連づけが問われる入試となると予想されます。
この記事では、このような2025年度の大学入試の進化に焦点を当てつつ、センター試験から共通テストへの移行に伴う変化と、今後の高校生に求められる能力の本質について詳しく掘り下げます。
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① そもそも大学入学共通テストとは?センター試験と何が違うの?
大学入学共通テスト(以下:共通テスト)は、2021年度から開始された新しい大学入試方式です。
これは、従来の大学入試センター試験(以下:センター試験)に代わるもので、日本の教育システム改革の一環として導入されました。
センター試験では、主に知識を直接問う正誤問題や計算問題が中心でしたが、
共通テストでは、従来の知識や技能をベースにしながらも、「思考力」「判断力」「表現力」を重視した問題が増加しています。
共通テスト導入の背景には、近年の日本社会の大きな変化があります。AIの導入、スマートフォンの進化、グローバル化、宇宙開発など、多様な分野での急速な変化が見られ、未来予測が難しい時代を迎えています。 このような変化に対応し、未来社会で生きるためには、学校教育も時代に合わせて進化させる必要があるとされているのです。
② 2025年共通テストはこう変わる!これまでの共通テスト・センター試験からひも解く、今後の高校生に求められる力とは?
本年度に実施された共通テストは4回目となりますが、その特徴として「思考力・判断力・表現力」を重視する問題が段々と増加している点が挙げられます。 具体的には、最新の時事問題や高校生の「探究学習」に基づく設問が取り入れられており、 これらの問題では、様々な資料やグラフ、地図などを読み解き、迅速に必要な情報を抽出する情報処理能力が試されます。 また、すべての教科に共通して、限られた時間内で効率的に問題を解くために、高い読解力も求められます。
2025年共通テストの『国語』と『英語』の変化も知りたい!という高校生必読!👇
◎ 数学について
2025年共通テストの数学は何が変わるのか?
- 1. 数ⅠAの全問解答必須化
- 2. 『数学Ⅱ・数学B』が『数学Ⅱ・数学B・数学C』に
- 3. 数ⅡBCの時間の延長(60分→70分)
- 4. 記述式問題への傾向
従来の数ⅠAおよび数ⅡBの試験は、4つの大問から構成されており、前半の2問は解答が必須で、残りの2問は選択制でした。 しかし2025年度よりこの形式が変更され、数ⅠAでは全4問が解答必須となります。
数ⅡBは『数ⅡBC』に変更され、試験の構成も変わります。数ⅡBCでは合計7つの大問が出題され、数Ⅱ部分の3問と、数BC部分の4問の中から3問を選択して解答する必要があります。
これまでの数ⅡB試験は60分間でしたが、問題数の増加に伴い、試験時間が70分に延長されることとなります。
2024年の数学の共通テストより、徐々に記述式問題への意識が高まっていることが伺えます。 従来の試験では、大部分の問題が計算結果やその過程における「数字」の提示を求める形式でしたが、今回の共通テストでは、数学の記述式問題を意識した問題が選択式で出題されました。 これらの問題は、数学の計算能力だけでなく、言葉による表現力を試すものであり、まるで国語の問題のような要素も含まれています。 共通テストの導入当初から、記述式の問題形式の導入が検討されていた背景もあり、今後この種の問題形式が増えることが予想されます。
これまでの数学は、
センター試験(2019年)と共通テスト(2024年)で何が変わってきたのか?
- 1. 日常的な会話を取り入れた問題形式
- 2. 数学ⅠAの試験時間の延長(60分→70分)
一番の違いは、単なる計算力だけでなく文章読解力も問われるようになった点です。 以下の図のように「数学的に日常的な物事について考える問題」や「2人の生徒の会話形式から考え方を読み取る問題」などが多く取り入れられるようになりました。 問題文や会話文から数学的な問題を取り出してくる必要がある分、時間がかかりやすくなっているといえます。

センター試験では数学ⅠA、ⅡBの試験時間はともに60分であった一方で、共通テストでは数学ⅠAは70分、ⅡBは60分の試験時間に変更となっています。 ただ、大問構成としては、センター試験と2024年共通テストでは変更はなく、大問4問構成で、前半2問が解答必須の問題、後半の大問2つ分は大問3問の中から2つを選ぶ形式でした。ここが2025年からは変化します。
◎ 情報(学習指導要領の変更にともない新設)について
学習指導要領の変更にともない、新教科として導入されるのが「情報」です。 ほぼ全ての国立大学は原則としてこれまでの「5教科7科目」に「情報」を加えた「6教科8科目」を課し、公立大学でも一部の大学では共通テストの教科に「情報」を含めるようです。 試験時間は60分、配点は100点で、出題科目は「情報Ⅰ」とされます。
どんな内容が出題されるのか?
- 1. 出題範囲は高校1年生で学ぶ「情報Ⅰ」のみ
- 2. 多様な求められる力
- 3. 「プログラミング」は配点が高く、マーク式で出題
試験範囲は、高校の必修教科「情報Ⅰ」の4つの領域、すなわち「情報社会の問題解決」「コミュニケーションと情報デザイン」「コンピュータとプログラミング」「情報通信ネットワークとデータの活用」から、満遍なく出題されます。 基本的な問題が中心なので、高校で学習した内容をしっかりと押さえ、適切な対策をすれば、得点が取れるでしょう。
情報、プログラミングの知識はもちろん、様々な情報を適切に分析・活用するための知識やスキル、情報リテラシー、さらに数学的な思考が問われます。 また問題文が長めということもあり、読解力も求められるのが特徴です。 時間制限があるなかで、問題文から要点をつかみ解答する力が求められています。
試作問題では、100点満点のうち46点が「プログラミング」に関しての配点でした。 情報ではプログラミングの実技をテストするという案も検討されましたが、今の段階では全問マークシート方式で出題されるため、実際に試験でプログラミングを行なうことはありません。 ただし以下のような共通テスト用オリジナル言語「DNCL」(日本語まじりのプログラム言語)を用いながら、プログラムを読み解き、問題を解決するための手段を組み立てる力が求められるといえます。

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③ 2025年共通テストを突破するためにはどんな対策が必要?
- 1. 「総合的な探究の時間」により積極的に参加しよう
- 2. 全教科の偏りのない学習を心がけよう
- 3. 2025年の試作問題を解いてみよう
- 4. 共通テストへの対策を総合型選抜・学校推薦型選抜にも活かそう
学校の授業には今まで以上に積極的に参加することが大切です。共通テストでは、学校の授業と似たようなシーンや「総合的な探究の時間」に焦点を当てた問題が頻出しています。 普段の授業への積極的な参加は、共通テストへの対策としても重要です。また、共通テストでは、問題の量が増え、多くの情報を迅速に読み解き、関連付ける能力が求められます。 基本的な知識や技能を早めに身につけておくのはもちろん、速読力や判断力を養うことも考えておく必要があります。
今後選べる志望校の幅を拡げられるようにするために、教科の偏りなく勉強を進めることを心がけることが重要です。 英語、数学、国語の基本科目だけでなく、「情報Ⅰ」や「地理総合」、「歴史総合」などの科目も含め、全ての教科をバランスよく学習しましょう。 思考力や判断力、表現力が求められる問題にも応用できるように、まずは基礎を定着させておくと良いでしょう。
大学入試センターでは、2025年の試作問題及び試作問題の概要等を公開しています。大きな変更のある科目を中心に一度解いてみることで、今後の対策が明確化できるでしょう。
共通テストの対策を総合型選抜や学校推薦型選抜にも応用しましょう。 共通テストで重視される「総合的な探究の時間」での学びを活用することは、思考力や判断力、表現力の向上に役立つだけでなく、大学での学びや将来の目標に対する深い理解を得る機会となります。 2025年の共通テストの変化をチャンスと捉え、一般受験だけでなく、総合型選抜での合格の可能性も高めましょう。
④ 共通テスト利用の総合型選抜
総合型選抜は、志望理由書、活動報告書などを提出する1次選考、面接や小論文試験などの2次選考が行われるのが一般的な試験です。その中で国公立大学の総合型選抜は、ほとんどが最終選考で共通テストを課されます。また、一部の私立大学の総合型選抜でも共通テストの成績提出が求められる場合があります。ここでは、主な共通テスト利用の総合型選抜を紹介します。なお、入試情報は変更される場合がありますので、大学公式ホームページを必ず確認しましょう。
◎早稲田大学 地域探究・貢献入試(旧:新思考入試)
対象学部:法学部・文化構想学部・文学部・商学部・人間科学部・スポーツ科学部
1次選考:書類審査 2次選考:総合試験(筆記)最終選考:共通テスト8割以上
◎明治大学 商学部 公募制推薦入試(大学入学共通テスト利用)
部門により英語資格の提出や留学経験が必須。共通テストの成績で合否判定を行う。
◎東北大学 AO入試Ⅲ期
志願者数が募集人員を大幅に上回る場合は、共通テストの成績により1次選考を行う場合あり。2次選考は書類、面接審査。
◎横浜国立大学 総合型選抜
1次選考:書類審査、小論文試験 2次選考:面接試験 最終選考:共通テスト
◎一橋大学 学校推薦型選抜
1次選考:共通テスト 2次選考:書類審査、小論文試験、面接試験
◎東京工業大学 総合型選抜
1次選考:共通テスト 2次選考:個別学力検査(学部による)、書類審査(学部による)、面接試験
もともと一橋大学に強い憧れがあり一般選抜での受験を考えていたのですが、総合型・学校推薦型選抜でも受験できることを知り、受験のチャンスが広がるならと挑戦を決意しました。一橋大学の学校推薦型選抜は、1次選考で共通テスト、2次選考で書類審査、小論文、面接試験があります。一般選抜とも両立していたので、「東進講座」を受講して対策しました。「総合型・学校推薦型選抜特別指導」では、何度も書類にダメ出しをもらいましたが、結果的に納得のいく書類を作成することが出来ました。
建築学を大学で勉強したいという思いがあったため、総合型選抜と一般受験のどちらも活用したいと考えていました。 志望校は理系のトップである東京工業大学に。 東工大の総合型選抜は、共通テストの足切りがあるので、一般選抜の対策も平行して行う必要があります。 一般選抜と総合型選抜はそれぞれ異なる入試形式ではありますが、問われている力は変わりません。受験するチャンスが2回に増えて選択肢も広がったため、両立して良かったと思います。 東工大の提出書類対策としては、早めに志望理由書の大枠を完成させて、12月にブラッシュアップするなど、時期に合わせて取捨選択をして対策し続けたことが勝因です。 課題のスケッチに関しても、高2生の6月から高3生の8月まで行なっていましたが、その先は基本的に一般選抜の対策をメインにしていました。メリハリを付けて集中することで、第一志望校を掴み取りました。
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