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2026年度共通テストの傾向を解説!文系編【国語、英語、地歴公民】
2026年1月17日(土)と18日(日)、新学習指導要領に移行後、2回目となる「大学入学共通テスト」が実施されました。この記事では、2026年度共通テストの文系科目について傾向を解説し、現在の受験生に求められている力についてお伝えします 。
昨年までと同様、複数の文章・資料を組み合わせて解答を導き出す問題が多く出題されました。
昨年追加された第3問の「実用的文章」では【文章】と【資料Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ】が提示され、それに関する設問が出題されました。今年は、絵本(大片忠明『イワシ むれで いきる さかな』)が題材となったことが目新しいです。昨年は折れ線グラフや棒グラフなども含んだ複数の資料から読み取る問題が出題されましたが、今回は【資料】にグラフは含まれずグラフの読み取りに関する設問はありませんでした。第3問は今回で「実用的文章」の出題傾向が固まったとは言い切れませんので、試験本番でどのようなタイプの問題にも対応できるよう、できるだけ多くの問題演習に取り組みましょう。 第5問の漢文は、日本漢文(長野豊山『松陰快談』)からの出題でしたが、日本漢文が2年連続で出題されるのは珍しいことです。さらに問7では同一出典の別の箇所が出題され、複数素材の漢文の組み合わせという出題形式になりました。今までの共通テストを見る限り、古文・漢文は現代文と比べてセンター試験との違いは少ないようですから、必要な演習問題が不足していると感じたらセンター試験の過去問を利用しましょう。
出典:
<リーディング>
昨年と同様に全8大問の構成で、設問数やマーク数にも変化はありませんでした。出題内容は、ダンスコンテストについてのショートメールのやり取りや、高校で取り組んでいるエコ週間ついてのニュースレター、図書館のイベントについてのチラシなど、身近な話題を扱った英文から、マインド・ワンダリング(心の迷走)についての文章や、スポーツテクノロジーに関する意見文や資料といったアカデミックなテーマを扱ったものまで多様な題材でした。
第4問以外のすべての大問で、図、表、イラストが使用されており、複数の情報源から概要・要点を把握する力が求められました。
共通テストのリーディングは長文読解が中心となりますが、一つのまとまった文章を読むだけでなく、明確に書かれていない内容を本文やメモから推測する思考力・判断力や複数の情報を整理・比較し正確に理解する力が必要です。また、メッセージのやり取りだけでなく論理的な文章も出題されるため、高校の「探究学習」などで日頃からそういった文章に触れることも、対策の一つといえるでしょう。
<リスニング>
出題形式は昨年と同じく大問6題からなる構成で、全体の配点にも変化はありませんでした。イラストやグラフ、表が多数使用されており、単に英語を聞き取ることができればよい訳ではなく、目的に応じた思考力・判断力が問われる内容になっています。
変更点として第4問Aでは、イラストを順番通りに並べる問題が出題されましたが、従来は4枚だったイラストが1枚増えて5枚になり、不要なものが1つ含まれる形式に変更になりました。
近年の共通テストでは、他者の意見を理解したり、資料を基に議論したりするなど、「探究的な場面」でのコミュニケーションについて問われる傾向にあります。単に内容を聞きとるだけでなく、会話や説明を聞いて情報を整理し、与えられた資料と照らし合わせたり、質問で問われている条件と照らし合わせたりできるようになると高得点につながります。
<地理総合、地理探究>
分量・形式ともに大きな変化はありませんが、複数の図版を組み合わせて考察させる問題が増えています。共通テスト地理総合、地理探究の傾向を端的にまとめると、「知識量を試すテストではなく、最低限の知識や基本的な理解を基にして、資料を読み取り、分析し、考察する力を確かめるテストである」ということになります。そのため、いくつもの資料や長めの問題文・会話文を伴う設問や、複雑な組み合わせ式の設問が多くなっています。例えば、ある地点の気候グラフを題材とする場合、「A地点のグラフはどれか」といった形式ではなく、「A・B 2地点のグラフとして、それぞれX・Yが選ばれる理由を述べた文の正しい組合せはどれか」のように問われるのです。このような設問では、各地点の気候区分(単純な知識)を暗記していても解けません。世界の気候の成り立ちを理解し、与えられた地点に関する情報(地図など)を読み取って分析し、グラフや説明文の内容を考察する必要があります。また、込み入った構成の問題内容を短時間で処理する手際の良さも欠かせません。
<歴史総合、日本史探究>
表・図版などの史資料を用いた出題が多く、受験生に多方面から歴史を考えさせる多彩な出題は例年通りでした。インドとエチオピアにおける飢饉の時期など世界史に関わる内容を交えた出題もみられ、日本史と世界史の統合的な視野を求めていると考えられます。ただし、中学歴史や日本史探究の対外関係史で学習する範疇で対処できるものも多く、全体的に情報の分析・処理を求めていると考えられる問題が多く見られました。また、昨年と同様高校生による「探究」を想定した場面が全ての大問で設定されました。
対策の際は、「考える」日本史学習を習慣にしていきましょう。文化史(仏像彫刻)を例にとれば、仏像彫刻を把握していく際に、(1)写真で確認してその特徴を考える、(2)ほかの時代で扱う仏像彫刻と比較する、(3)当時の仏教はどのような性格をもっていたのかを把握する、(4)政治・外交・社会など他の分野との関連性を確かめる、など複数の視点で歴史を捉えることを意識して、読み方を変えてみましょう。この流れは「探究学習」と似ています。探究活動において根拠と共に自らの立場を決めるプロセスを追体験させるような問題も出題されたため、高校の「探究学習」自体も対策となるでしょう。
<歴史総合、世界史探究>
資料の数が昨年より16点増加し、会話文による出題も3つ増えました。さらに資料を読解しつつ知識をもとに考えないと解答にたどり着けない「思考力」を問う問題は昨年と同様に多く出題されています。
出題形式の変化としては、昨年度の第5問で新たに出題された大問全体の主題について問う設問が今年度も第5問で形を変えて出題されました。問1から問4の班別学習を理解したうえで、さらなる探究活動を進めるための方針を問5で問うという形式でしたが、解答に至るまでの考え方は昨年度の第5問と同様であったと言えます。また、第1問の歴史総合分野の出題は、昨年度は近代以降の世界史探究で学習する知識だけで解ける問題が大半でしたが、今年度は8問の小問のうち3問は日本史分野の学習をしっかりとしていないと解けない問題が出題されました。
大学入学共通テストでは、写真・年表・グラフ・史料などが多用され、それらをもとにして、読解したり考察したりする「論理的思考力」を求める出題があります。日ごろの学習の際に、資料集などを使用して、この出来事はどのような時系列で起きたのかを年表で確認する、掲載されているグラフを歴史的な視点で読み解く練習をするなど、資料に親しむ習慣をつけていきましょう。
<公共、政治・経済>
全体を通して見ると、前年以上に、表層的な知識を使うだけでは解答に至るのが難しい問題が多いです。「(1)で①・②のいずれを選んでも、(2)の問いについては、それぞれに対応する適当な選択肢がある。」という連動型の出題が2問あったのは、受験生の論理的思考力を問うねらいをよく表しています。
「公共、政治・経済」は倫理分野、政治分野、経済分野など幅広い分野から出題されます。それぞれの分野の基礎を押さえることが学習の出発点となります。教科書をしっかりと読み、太字の部分を中心に思想、制度、理論の大枠をとらえましょう。また、グラフや表を見てその特徴を押さえることも効果的です。一度に内容の全てを覚えようとするのではなく、繰り返し読み、大枠を捉えた段階から明確な理解の段階へと進みましょう。
【試験問題画像の出典】
上記で使用している共通テストの問題画像は、独立行政法人大学入試センターウェブサイト(https://www.dnc.ac.jp/)が公開している「令和8年度(および令和7年度)大学入学共通テスト 本試験」の問題冊子PDFより引用・加工しています。
令和8年度 過去問ページ:https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/kakomondai/r8/index.html
令和7年度 過去問ページ:https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/kakomondai/r7/index.html
受験生に求められる力とは
共通テスト全体を通して、資料を組み合わせて解答を導き出す形式の設問が増加していることがわかりました。加えて、会話形式の設問や探究学習を追体験するような設問も増えており、以前よりもさらに「思考力・判断力・表現力」および「学びに向かう力・人間性等」が重要になっていることがわかります。これらの力は、知識のみを習得する勉強の仕方では身に着けることができません。「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性等」をバランスよく身に着けるために高校の「探究学習」も大切にしましょう。
共通テスト利用の総合型選抜
総合型選抜は、志望理由書、活動報告書などを提出する1次選考、面接や小論文試験などの2次選考が行われるのが一般的な試験です。その中で国公立大学の総合型選抜は、ほとんどが最終選考で共通テストを課されます。また、一部の私立大学の総合型選抜でも共通テストの成績提出が求められる場合があります。
共通テストでも求められるようになった思考力・判断力等は総合型選抜で大いに活かすことができます。ここでは、主な共通テスト利用の総合型選抜を紹介します。
1次選考:書類審査 2次選考:総合試験(筆記)最終選考:共通テスト8割以上
早稲田大学人間科学部
FACT選抜
原田駿くん
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